「医者はコロナを怖がり過ぎ」三浦瑠麗氏の発言に現役医師が猛反論

 去る1月29日には全国の新規感染者が8万2000人を超えるなど、急激なコロナ感染拡大を受けて、日本ではPCR検査を受けたくてもなかなか受けられない状況にある。

 こうした現状もあって、1月28日深夜に放送された討論番組「朝まで生テレビ!」(テレビ朝日系)がテーマに取り上げたのは「コロナと医療崩壊」。そこで国際政治学者の三浦瑠麗氏が発したコメントが一部視聴者の間で物議をかもしている。
 
 番組中盤、「日本の医師の今の状況」について語り始めた三浦氏。「医師会は医師会で分権的なところがあって」と、オンライン診療への取り組みが遅れたことを指摘したうえで「自分事だと思ってないんじゃないかな」と持論を述べ、「医師の方が『それ感染症の話でしょ』っていうふうにほとんどの医師の方が他人事だとやっぱまわらないので」と、“凖有事”の発想で取り組むべきだと訴え、次のように続けた。
 
「専門家の方のご意見がメディアで紹介されてたんですけど、どうも、普通の医者がですね、コロナを怖がり過ぎてる」と、医師の心情についてコメント。ごく普通の医師も一般人と同じように、「おどろおどろしい音楽」などで煽るワイドショーの影響で「怖がってるんだろうな。そういう感覚で見ていただけると」「悪意があるわけではないんだけど、ご自分事だと思ってない」と、コロナを他人事だと認識する医師について言及した。

 この「怖がり過ぎ発言」に「田原さん!田原さん!ちょっといいですか」と割って入ったのが現役医師で医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏だった。
 
「三浦さん、それはちょっとヒドイですね」とし、「私もコロナ患者診てます。怖いですよ。外来で1日何十人て検査したら怖いんです。事実、お医者さんは世界中たくさん亡くなってるんです。最前線に立つお医者さんは専門医の方もいらっしゃいますけど、一般のクリニック(の医師)が立ってるんですよ」と、三浦氏の言う“普通の医師”もコロナと闘っている現状を説明し、「そんな怖くない医者なんていないんです」と続けた。

 さらに上昌広氏はやや語気を強めて「それだったら三浦さん、(医療現場に)立ってこられたらいいんですよ」と言えば、三浦氏は薄ら笑いを浮かべながら「私、医者じゃないんで」と切り捨てたのだった。

「三浦さんにしてみれば、リスクを背負って発熱外来をもうける病院とそうでない病院に温度差があるように思えて、『怖がり過ぎ』という発言が出たとは思うのですが、やはり現場に立つ医師や視聴者の間では反発する意見が殺到。SNS上でも《医者がワイドショー見てコロナを怖がるとか、さすがに暴論だわ》《都合が悪くなると「自分は医者じゃない」って逃げた。じゃあなんで医者みたいな発言してきたの?》などといった意見が書き込まれています」(テレビウォッチャー)

 さすがに「怖がり過ぎ」という三浦氏の発言は、コロナ医療に協力している“普通の医師”や彼らの治療を受けている患者たちにとっては、看過できなかったのだろう。

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