ヒコロヒーの才能を見出した奇才の作家は若林正恭のブレーン

 松竹芸能から久々に現れた女性人気ピン芸人といえば、ヒコロヒーだ。借金があることをあけすけに話し、麻雀やタバコをたしなむ“国民的地元のツレ”。今年は女優として「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京系)、「#家族募集します」(TBS系)に出演し、レギュラー番組も増加。芸歴およそ11年で増え続けた借金を、ようやく完済できた。

 日向坂46の齊藤京子との無駄話トーク番組「キョコロヒー」(テレビ朝日系)は今年、テレ朝の平日深夜に放送されている14本のバラエティー番組枠「バラバラ大作戦」の視聴者投票「第2回バラバラ大選挙」でトップ。秋の番組改編で、放送時間が深夜2時から23時台に繰り上がった。

 同番組に構成としてかかわっているのは、お笑いコンビのどきどきキャンプ・佐藤満春。通称・サトミツだ。放送作家としての顔もあわせ持ち、同じケーダッシュステージ所属のオードリーとは16年来の大親友。若林とは人見知りで内向的な性格者同士、打ち解けるのも早かった。オードリーが「M-1グランプリ2008」で準優勝して、人気に火が着く前から、ネタを一緒に作り上げてきた。春日に妻のクミさんを紹介したのも、佐藤である。

「サトミツという愛称を広めたのは、ラジオ『オードリーのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)。作家の立場ながらも、出演者と変わらずオンエアにのりまくり。番組は今年10月に聴取率の首位記録を33回に伸ばしましたが、功労者は間違いなくサトミツです」(エンタメ誌ライター)

 作家としては「スッキリ」や「ヒルナンデス」(ともに日本テレビ系)、OKAMOTO’Sのハマ・オカモトと乃木坂46の齋藤飛鳥による音楽トークバラエティ「ハマスカ放送部」(テレ朝系)、ラジオ「ナイツ ザ・ラジオショー」(ニッポン放送)ほか、人気番組を多く手がける。トイレの専門家・掃除研究家として生活お役立ち番組にも引っ張りダコ。芸人、作家、トイレ博士と3足のワラジをはく。

 若林と南海キャンディーズの山里亮太による「たりないふたり」シリーズには、立ち上げ時から作家で入った。山里とは現在「スッキリ」で共演中。ある日、スタジオで会ったとき、自宅でソースをこぼし、塩素系液体で拭くと変色したことを山里から相談された。

「すると、佐藤さんは別れた直後に速攻でメールを送信して、山里にシミ落としの対処法を教えたそうです。しかも、山里が応急処置として取った行動を否定しない優しさまで見せたとか」(週刊誌記者)

 ヒコロヒーにひと足早く目を付けた作家芸人。若林や山里が全幅の信頼を寄せるのは当然か。

(北村ともこ)

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