「ミスド」創業50周年も閉店が続く“コンビニスイーツ”ではない原因

 1971年、大阪は吹田市箕輪に1号店をオープンさせ、今年で国内創業50周年を迎えた「ミスタードーナツ」。しかし、同時期に国内にオープンした「マクドナルド」や「ケンタッキーフライドチキン」とは水をあけられた形で、ここ4年間で200店舗を閉店するなど不振が続いている。果たしてミスド離れを引き起こした原因はどこにあるのだろうか?

「最近、ミスドの閉店情報がSNS等でも話題になっていますが、運営会社のダスキンが発表する営業拠点数によれば、2017年3月期には国内稼動店舗が1160だったのに対し、2021年3月期には961まで減少していますから、ほぼ200店舗が閉店していることになります。それもそのはず、同チェーンの売上高は08年から11年連続で減少しており、ここ2年は微増となっているものの08年に比べると売上高はおよそ4割減となっているのです」(経済ジャーナリスト)

「ミスド」では19年、福岡県北九州市で元アルバイト従業員によるバイトテロ被害も起きているが、客離れの原因としてよく挙げられるのがドーナツ販売の参入などコンビニスイーツの台頭だ。しかし、本当の原因は他にあるという。

「15年、コンビニ大手3社がレジ横でのドーナツの販売を本格化してブームになりましたが、3年後にはコンビニドーナツはほとんど撤退していましたし、何よりミスドの不振が始まったのはさらに前。ミスドの客離れにコンビニスイーツが大きな影響を与えたと言えば、そんなこともないでしょう。それより問題なのは、なかなか新しいヒットが生まれないことです。ミスドのヒット商品といえば『ポン・デ・リング』が思い浮かびますが、発売されたのは03年。以降、20年近くこれといった爆発的なヒットや話題の商品が出てこないのが、客離れの一番の原因ではないでしょうか」(フードライター)

 ちなみに、市場調査メディア「ホノテ」がおこなったアンケート調査によれば、20代男女が選ぶ好きなスイーツの5位にドーナツがランクイン。潜在的な需要はあるとみられるため、新たなヒット商品の誕生に期待したい。

(小林洋三)

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