京王線刺傷事件に「電車よりもジョーカーが悪い」木村太郎氏のコメントが物議

 10月31日に京王線の電車内で発生した刺傷事件。映画「ジョーカー」の仮装で70代男性の胸を刺し、車内に火をつけて大パニックを引き起こした服部恭太容疑者。報道によれば、犯行動機について、「悪のカリスマだと思った」「(滞在先の)神戸で映画を見て改めて心酔」などと、映画のキャラクター・ジョーカーへの強い憧れを供述しているという。

 11月7日放送の「Mr.サンデー」(フジテレビ系)はこの問題を取り上げ、電車内での凶行をどう防ぐか、防犯対策について話し合われたのだが、コメンテーターの木村太郎氏の発言がSNS上で物議を醸している。

 司会の宮根誠司が「これ太郎さんね。現実問題として電車の利便性を考えたら自分の身は自分で守るしかないんでしょうか」と話を振ると、

「電車の防衛よりも『ジョーカー』のほうが問題だと思う。というのはね、9年前、アメリカのコロラド州のオーロラって街で、ジョーカーが出てくる『ダークナイト・ライジング』っていうバットマンの映画が封切りのその日に男が銃を乱射して12人殺害して58人ケガしたっていう事件が起きた。その時に警官が来て捕まえたら『俺はジョーカーだ』って言ったの。(犯人は)チンピラじゃなくて大学院の博士課程の24歳の男だった」

 この木村氏のコメントに対して宮根は「だけど、それはエンターテインメントとそこは分けてもらわないと。エンターテインメント自体が成立しない」と、ジョーカーの責任問題に言及。

 すると木村氏は映画「ジョーカー」について、「バットマン」から切り離した形で「単独の映画になって今度出てきて、アカデミー賞の候補にまで入ってる」「こういう模倣犯が出てくる映画っていうのは観客に制限つけるとかしないと、こういう事件は起きると思う」と持論を述べた。
 
 この映画「ジョーカー」への苦言にはSNS上で批判が殺到。《日本ではR15指定だったし木村さん絶対に映画見てないと思う》《日本で犯罪映画が作れなくなるやん》《一人の犯行で芸術を規制するのは間違ってる》といった意見が書き込まれる事態となった。
 
 服部容疑者は事件前に「ジョーカー」をスマホで鑑賞していたという。今や年齢制限に関係なく、誰でも鑑賞できてしまう現状を考えれば、木村氏のコメントはいささか時代錯誤だったかもしれない。

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