スポーツ紙デスクが言う。
「新庄監督の一番のこだわりは『二刀流』ですよ。なにしろ以前から『元祖二刀流は僕です』と公言していましたから(99年に野村克也監督の発案で挑戦)。筆頭候補はルーキーの伊藤大海(24)です」
伊藤はシーズン最終戦で10勝目(9敗)にたどり着いたが、QS率(6回自責点3以下の割合)でリーグ3位タイと大健闘も、味方の援護に恵まれず勝ち星を逃すシーンが目立った。
「駒大苫小牧高校時代から、50メートル5.8秒の俊足とチームのクリンナップを担っていたパンチ力もプロのスカウトに評価されていた。新庄のキーワードは『ワクワク』です。その一環でワクワク感溢れる、DHを解除した打席を演出する。伊藤自身も、黙って見守ることしかできない攻撃に参加したい思いを周囲に漏らしている。『自分で打って自ら援護するべし』と、新庄から号令が出れば、喜んで打席に立ちますよ」(スポーツ紙デスク)
チームとしても大谷に次ぐ「二刀流」起用は、新庄監督が目指す「スペクタクル野球」の最たるもの。当然、メジャー仕込みの最先端戦術も導入される。
「清宮幸太郎(22)の『1番ファースト構想』です。今のメジャーでは、1番打者に足の速い選手よりも強打者を持ってくるのがトレンド。今季は2軍でみっちり打撃と守備を磨かせました。球団はこの一年、大卒の同期が入団する来季5年目のシーズンにブレイクさせる方針に転換している。1番で打席数が増えるだけに、バレンティン(37)が放った60発のシーズン記録を抜く可能性にも期待している」(球団関係者)
来る春季キャンプに向けて、商戦は始まっている。
「球団予算との相談にはなりますが、メジャー時代の〝マブダチ〟であるバリー・ボンズ(57)を臨時打撃コーチとして招聘する案が浮上しています。現在はサンフランシスコ・ジャイアンツでオーナー付の特別職に就いて時間の融通が利く。さらに、今季限りで引退した斎藤佑樹(33)にも集客要員としてポストを用意。すでに球団には、斎藤をマネージメントする部署を増設する動きがあります。いずれもグッズ収入が見込めるからです」(球団関係者)
さらに、カレンダーのみならず、新庄とタイアップしたい企業が押し寄せているという。
「さっそく、化粧品会社や二輪メーカーから引きが来ています。中でも、話題性十分なのが、選手時代に大盛り上がりだった『ハーレー激走パフォーマンス』。スタメン全員をハーレーで登場させるだけでも、メーカーの宣伝効果は数千万円規模に上ります。演出にかかる経費を節約しつつ、広告料もガッポリ得られます」(広告代理店関係者)
固定観念や既成概念をブチ破る「球界スペクタクル革命」の数々。10月30日には「たまにはファンが選ぶスタメン試合を検討しています」とツイートし、さっそく話題を提供。この勢いで今後はさらに一挙手一投足に注目が集まり、新庄新監督の1面ジャックがスタートするに違いない。
*「週刊アサヒ芸能」11月11号より