テレビ朝日の生放送音楽番組「ミュージックステーション」でMCを務めるタモリが、「同一司会者による生放送音楽番組の最長放送」としてギネス世界記録に認定されたことを受け14日、テレビ朝日を通してコメントを発表。
「ミュージックステーションで一番印象的な出来事は?」との質問に「それはやはり、t.A.T.u.(タトゥー)でしょう(笑)!あれは忘れられないですし、あれを超える出来事はないでしょうね」と答えたことで、懐かしのお騒がせ歌手「t.A.T.u.」がツイッタートレンドにランクインするなど、SNS上で盛り上がりをみせた。
音楽ライターが語る。
「タトゥーは、1998年にロシア出身のユーリャ・ボルコワとリェーナ・カーチナにより結成された2人組歌手。当初は同性カップルというイメージで売り出し、過激なパフォーマンスやスキャンダルで人気を集め、『All The Things She Said』が大ヒットしました。とはいえ、同性カップルというのは嘘で、これはプロデューサーであるイワン・シャポワロフが考案したコンセプト。演じている2人にとっては強い抵抗があったようです。ただ、イワンが仕掛けるスキャンダラスな話題と、楽曲との相乗効果もあって曲が続けざまに大ヒット。結局、2人もプロデューサーのコンセプト通り『スキャンダラスな2人組』を演じ続けました」
そんな彼女たちが2003年6月に来日。スキャンダラスな演出の餌食になったのが、タモリが司会を務めるテレビ朝日系の音楽番組「ミュージックステーション」だった。
「2人はオープニングには登場したものの、出演シーンをボイコット。急遽、THEE MICHELLE GUN ELEPHANTが、セットなし、リハーサルなしで『ミッドナイト・クラクション・ベイビー』など2曲を演奏し窮地を救ったことは、今でも伝説となっています」(前出・ライター)
このドタキャン騒動をきっかけに、日本でのタトゥー人気は失速。同年12月に再来日した際の東京ドームでの2日間のコンサートも、5万人の会場は空席だらけ。公演前にはS席7500円・A席6500円のチケットがネットオークションなどで数百円で売られていることも発覚。スキャンダラスな演出のツケはあまりにも大きかったようだ。
ところが、そんなタトゥーに手を差し伸べたのが、ロックンローラーの大御所、内田裕也だったという。
「裕也さんとタトゥーの2人は、2013年に収録されたスニッカーズのCMでの共演がきっかけで、交流を持つようになったと言われますが、CMの発表会に出席した際も、『事情はよく知らないけど、きちっとやってたんならそんなに謝ることないよ』とフォローし、『タモリくん、友だちなんだよ。俺もこの世界ではちょっとだけパワーがあるから言っとくね』とコメント。代わりに裕也さんが主催するニューイヤーズワールドロックフェスティバルへの出演を依頼。ふたりも快諾していました」(前出・ライター)
だが、結局は実現には至らなかったようだ。Mステの再出演にも興味を示し、内田氏に「一緒に行きましょう! トリオになりますね」と語っていたタトゥー。さて、今回のトレンド入りをどう思うだろうか。
(灯倫太郎)