テスラが発表「人型ロボット」が人間を脅かす可能性は?

 電気自動車大手の米テスラは、8月19日の自社イベントで人型ロボット「Tesla Bot」を開発し、来年中には試作機を公開すると発表した。同社のイーロン・マスクCEOは「人間には危険な作業や退屈な反復作業をする」と説明しているが、人間の仕事がロボットに奪われてしまう危険性はないのだろうか。

「スクリーンで紹介された『Tesla Bot』はまさに人間が白タイツを被ったような姿をしており、肩から頭にかけては黒く、顔部分はスクリーンになっていて情報などを表示することができるといいます。なお、身長は5フィート8インチ(約173cm)で、体重は125ポンド(約57kg)。約20kgまでの荷物を持って時速8kmで移動が可能とのことです」(ITジャーナリスト)

 マスクCEOは「当社はおそらく世界最大のロボット会社」と語り、人間の仕事の肩代わりをするのは人型のロボットが適していることから開発に着手したと説明。「Tesla Bot」は頭部に搭載したカメラで機械学習をして完全自動運転で動き、将来的には「店に行って野菜を買ってと言えば、それをやってくれる」ようになるのだという。

「こうしたロボットが発表されると、必ず《人間の仕事が奪われてしまうのでは?》といった意見が出てきますが、国際機関『世界経済フォーラム』によれば、2025年までに約7500万もの雇用がロボットに奪われる可能性があるものの、ロボットが働くことでマーケティングやEC関連などで新たに1億3300万の雇用が生み出される可能性もあるとのことで、ロボットのせいで失業者が溢れるという心配はないとの見方もあります。また、人型ロボットの登場で《人間の安全が脅かされるのでは?》との不安については、ロボットを兵器として利用することに反対するマスクCEOよれば、『人間の脅威にならないように時速8キロに設定』したといい、『人は簡単にこのロボットから逃げられる』と説明しています」(前出・ITジャーナリスト)

 ただただ将来、戦争兵器などに転用されないことを祈るばかりだ。

(小林洋三)

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