エンゼルスの大谷翔平選手が7月26日(日本時間27日)のロッキーズ戦に先発し、5勝目を挙げた。「2番・投手」の二刀流で、打者・大谷は4打数1安打1盗塁だった。
「前日は5試合ぶりとなるホームラン(35号)が出て、前々日も、ファインプレーで猛打賞を阻まれての2安打。二刀流で出場したロッキーズ戦では2三振を喫しており、打撃面が本調子になるまで、もうちょっと掛かるのかな、と」(在米ライター)
しかし、取材陣が声を揃えて言っていたのが、「大谷の表情が明るくなった」。後半戦が始まった直後は肩に力が入りすぎていたのか、表情が硬かったという。
気持ちのうえで変わったとすれば、きっかけは猛打賞を阻止された24日のツインズ戦ではないだろうか。
「3本目のヒットを阻止したのは、昨季までチームメイトだったアンドレルトン・シモンズ遊撃手です」(現地記者)
アンドレルトン・シモンズ遊撃手が昨季までエンゼルスに在籍していた元同僚であることは、既報通り。しかし、単なる同僚ではなかった。
シモンズは大谷の「ゲームメイト」だった。対戦型のバトルゲームの“良きライバル”であり、また、日本のアニメについても語り合う仲だった。
「大谷は花巻東時代、高校野球誌のインタビューを受け、アニメが好きだと語っていました」(アマチュア野球担当記者)
渡米した今も、日本のアニメを意識しているような節は見られた。今年4月だが、試合中、球場で流れる自身の登場曲として、アニメ「呪術廻戦」のエンディングテーマを使っていたのだ。
「シモンズも日本好きで、大谷がルーキーたた2018年、『報道陣がうるさいようなら、オレが追い払ってやるぜ?』なんて、声を掛けていました」(前出・在米ライター)
もっとも、シモンズはゴールドグラブ賞4度、リーグ年間最優秀守備賞に相当するプラチナグラブ賞にも選ばれた名手だ(13年)。大谷の3本目のヒットを阻止した好守備についても、「他の遊撃手ならアウトにできなかった」と、現地メディアもこぞって絶賛していたほどだ。
「シモンズが一塁送球してアウトになったあと、大谷は目をやり、シモンズも笑い返していました」(同前)
ゲームという共通の趣味を持つ元同僚との再会で勇気づけられたのかもしれない。ちなみに、シモンズが愛用しているグラブはメイド・イン・ジャパンのM社製品だ。
(スポーツライター・飯山満)