今年1月21日に、19年7月の参議院選挙を巡る公職選挙法違反で「懲役1年4カ月・執行猶予5年」の有罪判決を受けた河井案里前参院議員(47)。有罪が確定した2月5日に先立つ3日に辞職願を提出したが、遅きに失した感は拭えず、地元広島の有権者の怒りはいまだ収まっていない。
「当選無効の判決が出たんだから、税金で賄っている議員時代の約4000万円の歳費を全て返すのが筋でしょうよ。そもそも、ウグイス嬢に規定以上の報酬を払っていた疑惑が発覚した19年10月から、ほとんど国会に出席してないんですからね。あの税金泥棒に地元は総スカンだよ」(地元住民)
神戸学院大学法学部の上脇博之教授も、こう指摘する。
「市民団体が歳費等の返還を求める裁判を起こしましたが、返還について定めた法律がないばかりに却下されてしまいました。地方議員に対しては住民訴訟制度の規定があり、返還請求を命じた判例がありますが、国会議員にはない。せめて元秘書に有罪判決が出た時点で、党主導で議員辞職を要求するべきでした」
6月18日には、夫の克行被告(58)に「懲役3年、追徴金130万円」の実刑判決が下された。3月に5000万円の保釈金を納付してシャバに戻り、一時放免となったが、再び拘置所に逆戻りすることに。
「夫の監視の目から離れた案里氏が暴走しないか心配です。県議会議員時代から議会にミニスカで出席するなど、なにかと型破りな行動が目に余る人でした。そんな行動にストップをかけていたのが克行被告でしたからね」(自民党関係者)
実にご名答。晴れて自由の身となった案里氏は、現在の困窮ぶりを打破すべく、奇想天外な計画を打ち立てていた。
「私小説の執筆です。議員としての収入が途絶えたので、食い扶持を稼ぐ目的もありますが、原動力は検察への怒り。ホテルで強制捜査を受けた際にマッパで抗議した話は有名ですが、こうした密室のやり取りも含めて暴露しようとしています。横暴な検察の実態を白日の下に晒すつもりでしょう。議員時代から親交のあるマスコミ関係者を通じて、出版社に出版計画を打診したと聞いています」(地元関係者)
憎き検察への復讐と文壇への〝再就職〟が叶えば一石二鳥だが、読者置き去りの〝奇小説〟にならないことを祈るばかりだ。