根尾がコケて松坂大輔の「復活登板」に懸けざるを得ない中日のお家事情

 この報告は、松坂大輔に自信を与えそうだ。

 新生・与田中日の主催10試合を終えた時点での「1試合平均観客数」は2万8102人。リーグワーストではないが、ナゴヤドームは4万9692人を収容できるビッグ・スタジアムだ。4月19日金曜日からの本拠地3連戦の最終日は最多の3万3073人を集めたが、座席数が多いだけに「空席」が目立ってしまう。

「昨年オフ、観客増に期待する声がチーム内外から出ていました。というのもドラフトで一番の目玉選手だった根尾昂の指名に成功し、松坂人気も健在。昨年、松坂人気で球場を満員にした勢いに根尾が加わって、地元ファンも盛り上がると思われていたんですが」(スポーツ紙記者)

 根尾は新人自主トレで張り切りすぎて、故障。松坂に至っては“ファンに右腕を引っ張られる”という不慮のアクシデントで、キャンプ早々から別メニューとなってしまった。二軍戦でも投げておらず、今季中の復帰も危ぶまれている。

 地元ファンは根尾に対して「温かい目」で見ているようだ。立浪和義氏以来となる高卒新人の開幕スタメンは果たせなかったが、「将来の主力選手として大事に育ててほしい」と好意的。また、松坂に対しても、ファンサービスをした結果のケガということで同情の声が多い。

 しかし、38歳のベテランが投球練習も再開できず、喘いでいる。松坂でなければクビを宣告されてもおかしくない状況だ。

「与田監督は第2回WBCで投手コーチを務め、松坂とはそのときからの付き合いです。伊東勤ヘッドコーチも西武時代の松坂を知っており、なんとかしてやりたいと思っています」(同前)

 次に一軍登板する日は「再起を懸けて」というドラマになる。スタンドは満員となるだろう。ゆえに、自ずと特別待遇となっているようだ。

(スポーツライター・飯山満)

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