「バーミヤン」定食のランチタイム拡充で“実質値上げ”を心配する声

 中華ファミリーレストランチェーンの「バーミヤン」は、5月20日から平日限定の定食に時間帯による制限は設けず、メニューを16種類に拡充するなど大幅にリニューアルした「バミ定」をスタートさせたが、これには「日替わりランチをやめる布石では?」といぶかる声も見られる。

「これまでディナータイムのみ販売していた定食ですが、『時間帯によらず定食を楽しみたい』という要望を受けてリニューアルを決断したといいます。ラインナップとしては、曜日ごとにメニューが替わる『日替わり定食』や主菜にスープバーと漬物が付いた『中華逸品定食』、チャーハンなどご飯ものがメインの『飯定食』、ラーメンなど麺類がメインの『麺定食』の計16種類が用意されています」(グルメライター)

 なお、ランチタイムにもともと販売されている「日替わりランチ」は「バミ定」スタート後も変わらず提供しているのだが、実は「バミ定」の「日替わり定食」は「日替わりランチ」に餃子をプラスして100円高くしたもの。ランチタイムには餃子のありなしの違いだけで「日替わり定食」と「日替わりランチ」とまったく同じ内容のメニューが存在しているのである。

「そのためネット上では、《タイミングを見て日替わりランチをやめてしまうのではないか》と心配する声もあるのです。『バーミヤン』を運営するファミレス最大手のすかいらーくホールディングス(HD)は、2020年12月期(20年1月1日~12月31日)の連結業績で172億円の最終赤字となりました。これは実に10年ぶりとなる最終赤字で、今年に入ってからも3月まで連続で既存店売上高が前年比マイナスを記録するなど厳しい状況が続いています。ですから、当然客単価を上げたいという考えはあるでしょうし、『日替わりランチ』らランチメニューは終了させて『バミ定』に統一させる可能性は十分に考えられます。その方がオペレーションも簡略化できますからね」(経営コンサルタント)

 ただ、「日替わりランチ」には根強いファンも多く、「バミ定」に統一されれば実質値上げとなる。ぜひ選択できるメニュー構成を維持してもらいたいものだ。

(小林洋三)

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