昨年、返礼品を求めない総額8億円規模のふるさと納税を行うことを宣言し、それにあたって全国の自治体から使い道のアイデアを募集した大手ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」創業者の前澤友作氏(45)。実際、応募があった156の市町村すべてに500万円ずつ寄付する太っ腹なところを見せた。
応募した自治体のひとつ、北海道当麻町が前澤氏のふるさと納税の使い道として提案したのは、「当麻町の自然の中でサウナを基軸とした観光振興、リラックスしながら仕事のできる空間を創造したい」というサウナによる町おこし。その名も「“ととのう”町 サウナプロジェクト」で、目玉となるのが日本初のキャンピングサウナバスだ。
車やバスの内部をサウナに改造したもので、本場フィンランドでは珍しいものではない。今回、キャンピングカーの製造・販売などを行う地元のトウマ電子工業が車両のベースとなるマイクロバスを提供し、製作を担当。また、町のおよそ65%にあたる1万3405haは森林で、サウナスペースの内装に使う木材は当麻町森林組合、町内の銘木業者の北央銘木の協力ですべて地元産を用意。ただし、サウナバス自体には前澤氏のふるさと納税は一切使われていないそうだ。
では、何に使うのかというと、サウナバスの駐車スポットの整備。普通のバスとは違うため、ただ駐車できればいいわけではなく、使用目的に合わせた準備が必要だからだ。
当麻町の村椿哲朗町長(41)は、メディアプラットフォームサイトのnoteを通じて前澤氏のふるさと納税に応募した経緯、そしてサウナプロジェクトについて説明。《前澤氏からのふるさと納税500万円を活用し、キャンピングサウナバスなどが停留できるプレミアムスポット、要望と需要の多いオートサイトなどの整備に充てることを予定(令和3年度)。候補地の選定を進めています》と述べている。
なお、サウナバスは4月中には完成し、5月からふるさと納税をした方への返礼品としてのレンタル利用が開始される予定。ここ数年、サウナ人気が高まっているだけに全国のサウナーたちの新たな聖地になりそうだ。
(高島昌俊)