“兄貴分”の交換トレードで清宮幸太郎が覚醒!?「危機意識で居残り特打も…」

 チャンス到来となるかもしれない。

 東北楽天と北海道日本ハムの間で、交換トレードが成立した。楽天・池田隆英投手と日本ハム・横尾俊建内野手が活躍の場を移すが、両チームの今後によって、東京五輪を戦う侍ジャパンのメンバー編成にも影響を及ぼしそうだ。プロ4年目、まだ覚醒していない清宮幸太郎内野手である。

「トレード成立の話は、先に楽天側が発表しました。清宮は『2人揃って開幕戦で』とエールを送っていました」(スポーツ紙記者)

 横尾は清宮の良き兄貴分でもあった。右打ちと左打ちの違いこそあれ、ポジションや打撃スタイルでは重複しており、今回のトレードに日本ハム側が応じたということは、「清宮を一軍で使っていける」との目処が立ったからだろう。

 今春のキャンプでも怪我による出遅れがあった。右前腕部の違和感で一時は別メニュー調整となったが、回復が進むにつれ、練習試合後も居残り特打を申し出るなど巻き返しに必死だった。

「ルーキーイヤーの限局性腹膜炎、19年の右手有鉤骨骨折ほど重傷ではありません。でも、首脳陣が無理をさせませんでした」(球界関係者)

「大事を取って」ではなく、無理をさせたら大怪我につながると恐れたのが真相のようだ。清宮はフィジカルで脆い面があり、それがプロ入り後の成長を妨げてきた。しかし、今回は別メニューによる出遅れが相当堪えたという。

「2月16日の練習試合(中日戦)ですよ。試合勘はまだ戻っていませんでしたが、栗山英樹監督が出場チャンスを与えたんです。清宮は対戦投手に対応できず、危機意識を強く持つようになりました」(前出・球界関係者)

 練習試合でのヒットの有無に関係なく、居残り特打を自主的にこなすようになったのは、それからだった。清宮には「東京五輪に出たい」という夢もあった。危機意識を持った今後には期待できそうだ。兄貴分の移籍が自身の一本立ちにつながれば、五輪選出にも一縷の望みが見えてくるかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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