今やアスリートも自ら情報を発信する時代。特にサッカー界は野球界よりSNSを活用する現役選手が多く、自身の動画チャンネルを持っている者もいる。そこで今回は、現役OBを問わず、Jリーグや海外でプレーした選手からベストイレブンを選出(※詳しくは文末に紹介)。すると、森保ジャパンにも負けない豪華な顔ぶれとなった。
まず、FW2人は11年アジアカップ決勝で延長決勝ゴールを決めた李忠成(京都)とロシアW杯に出場した宇佐美貴史(G大阪)。頻繁に動画を配信しているわけではないが、ゲストとの本音トークはファンも満足の内容だ。
次のMF部門では、最近では関根勤や田村淳など異業種の著名人との対談動画が話題となった本田圭佑が登録者数23.5万人と現役選手ではトップクラス。中田英寿も公式チャンネルを持つが、現役時代のプレー映像が中心。自身は積極的に動画を配信していないらしく、知名度の割には8.3万人とそれほど多くない。
MF部門でそんなレジェンド2人に割って入ったのは約19万人の登録者を持つファビオ(元岡山など)。ブラジル国籍ながら幼少期から日本在住で、選手としての実績・知名度は低いが引退後に実業家として成功。趣味のスーパーカーなどサッカーと関係のない内容ばかりだが、交流のあるジーコとのドライブ動画などユニークなものもある。
そして、もう1人は現役時代に名古屋と川崎でプレーしたスポーツジャーナリストの中西哲生。現役時代の背番号を冠したYouTubeチャンネルは専門家らしい切り口で、硬派なサッカー番組といった作りになっている。
DFではJリーグで6クラブをわたり歩いた那須大亮が26.5万人と“ホンダ超え”を果たし、今回のベストイレブンの中で最多のチャンネル登録者数。19年に引退したが、通算400試合出場と実績十分で、本人のキャラクターもあってコアなサッカーファンでなくても楽しめる内容だ。
その那須に迫る登録者数を持つのが長友佑都(マルセイユ)。プレーでは最近精彩を欠いているが、妻の平愛梨や子供が登場する私生活の様子、豪華ゲストが出演するコラボ動画などバリエーションは豊富だ。
引退後に母国ブラジルに戻った闘莉王は、故郷の農場生活の日常が中心。のどかな南米の田舎暮らしといった映像は、ほかのサッカー選手YouTuberとは違った魅力がある。
残り1枠のDFには大津祐樹(ジュビロ磐田)と共同チャンネルを運営する酒井宏樹(マルセイユ)。ただし、公開された動画はまだ数えるほどしかなく、今後に期待したいところだ。
最後のGKはそもそもYouTuberが少なく、その中でも一番多かったのは児玉剛(FC東京)の約7000人。試合や練習のルーティンだけでなく釣りやクッキング動画などもあって思っていた以上に面白かった。
ちなみに今回のベストイレブンは4-4-2の布陣で11人中8人が日本代表経験者。中盤の中田・本田のW司令塔に加え、DFの闘莉王と我の強いメンバーが揃ったのでチーム内の衝突が起きそうな気もするが、機能すればJリーグでも十分上位を狙えそうだ。
※文中敬称略
■サッカー界YouTuberベストイレブン
FW 李忠成(京都) 2.55万人
FW 宇佐美貴史(G大阪) 1.81万人
MF 本田圭佑(ボタフォゴ) 23.5万人
MF ファビオ(元岡山など) 19.3万人
MF 中田英寿(元ASローマ、パルマなど) 8.32万人
MF 中西哲生(元名古屋、川崎) 3.51万人
DF 那須大亮(元神戸・横浜Mなど) 26.5万人
DF 長友佑都(マルセイユ) 24.8万人
DF 田中マルクス闘莉王(元浦和・名古屋など)4.39万人
DF 酒井宏樹(マルセイユ) 0.55万人
GK 児玉剛(FC東京) 0.72万人
※チャンネル登録者数は1月15日時点