「夜は国境をまたいで娼宿へ」リラ暴落で活気づく“分断都市”のピンク産業

 訪れる日本人は少ないがヨーロッパでは観光地として人気のキプロス。地中海の東側に浮かぶ四国の半分ほどの面積の島だ。

 もともと1つの島国だったが、1960〜70年代に民族間対立が激化。トルコ系住民が島の北側に北キプロス・トルコ共和国を建国し、1983年の独立宣言以降、南側のキプロス共和国とは未だに対立関係にある。そのため、治安維持のために今も国連軍が駐留している。

 そんな両国の首都ニコシア(※北キプロスでの名称はレフコシャ)は島の中央に位置し、東西ドイツ時代のベルリンのように1つの街が国境によって2つに隔てられた分断都市。現在は旅行者や地元住民の往来が可能だが、国境に設けられた緩衝地帯には廃墟化した紛争当時の街並みが残り、銃撃や砲弾の痕が当時の激しい戦闘の様子を物語っている。

 しかし、島のあちこちにギリシャ・ローマ時代の遺跡があり、海沿いにはビーチも多いリゾートアイランド。ヨーロッパでは定番のリゾート地として認知され、ピンク産業も意外と盛んだという。

 ちなみにピンク産業がより充実しているのは北キプロス。南側と違ってイスラム教徒が人口の9割以上を占めているが、レフコシャ市内にはお酒が飲める店も多い。遊びやすいのは店内の専用ルームで遊べるナイトクラブやバー。店内にいる女性の中から好みの相手を指名するシステムだ。

 相場は3000〜5000円ほど。北キプロスはトルコと同じ通貨トルコリラを使っており、2018年にトルコリラが大暴落したことで外国人にとっては以前よりも遊びやすい価格になっている。

 この手の店には入口に案内役兼用心棒のようなゴツい男性スタッフがいるため、いくらで遊べるのか確認しておくのがいいだろう。

 ほかにも娼宿スタイルのところも多く、相場は同じくらい、もしくは少し安い程度。女性は地元北キプロスをはじめ、ロシア系や東欧のコが多い。

 ピンク系のプレイスポット自体は南側にもあるが、アジア系女性が在籍する店も多く、相場もこちらのほうがちょっと高い。そのため、観光や宿泊するホテルは南側で、夜遊びのために国境をまたぐという人も少なくない。

 もし訪れる機会があれば両方の国で遊び、その違いを実感してみるのもいいかもしれない。

(トシタカマサ)

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