元手タダ“家ゴミ→お宝化”計画(4)廃盤のシャープペンシル

 今、空前のシャープペンブームが来ている‥‥らしい。
 
 大人になると使わなくなる文具で知らなかったが、メーカー各社が「芯の折れにくさ」を競って次々と新型を発売している。若者は夢中のようで、文具王・高畑正幸氏によれば、
 
「昨年、中高生を中心に3000円という高価な新型が飛ぶように売れ、買い占めに走る人も現れました」
 
 そのせいか、フリマアプリ「メルカリ」では、シャープペンの出品が多い。中でも「SMASH」は、限定色ともなれば2000円で売買されている。1000円の品がなんと倍である。
 
「SMASHは約30年前に発売となり、メーカーは生産中止も視野に入れていたところ、最近になって若者に影響力のあるユーチューバーが取り上げて人気が再燃。一時、品薄状態になったのです」(高畑氏)
 
 ロングセラーなら家に1本ぐらいあるかもしれない。とはいえ、需要に応えてメーカーも生産続行。人気商品に違いないが、これ以上の値上がりもなさそう‥‥と、「メルカリ」を見ていくと、軒並み1万円以上で売買されるシャープペンがあるではないか。その名も「メカニカ」?
 
「すでに廃盤になった製図用のプロの道具です。グリップを回すとペン先を保護する筒状のガードが出てくる珍しい機構があって、当時は3000円ほどでしたが、箱に入った良品が3万円で売られていたこともあり驚きました」(高畑氏)

 消耗品と思って文房具をナメてはいけないのだ。

マネー