「性接待」でのし上がる“マルチ勧誘員”の卑猥手口「契約したらホテルに…」

「このサプリメントを飲んでいるから私はコロナだって平気!」

「アフター・コロナは個人でビジネスをする時代ですよ」

 コロナ禍に人々が経済面に不安を抱える中、水面下では「ネットワークビジネス」の勧誘が激しさを増しているという。ネットワークビジネスとは、「マルチ・レベル・マーケティング(MLM)」という手法のビジネスモデル。一般的に購入者を販売員として勧誘し、その販売員がさらに別な人を販売員として勧誘していくことで、ピラミッド状の販売組織を形成。上位に位置する者はより多くのマージンを手にできる仕組みだ。商材はサプリメント、化粧品、生活用品、浄水器、空気清浄機など様々だが、冒頭のように勧誘文句に「コロナ」を盛り込むのがイマドキらしい。

 ネットワークビジネスに詳しいジャーナリストが語る。

「以前は勧誘方法として、大学の偽装サークルや街頭のキャッチやチラシがよく使われていましたが、コロナ禍では現実的に難しい。最近はSNSなどのネット経由、とくにマッチングアプリを介した勧誘が顕著になっているようです」

 実際、マッチングアプリでその手の販売員らしい女性とコンタクトを取るのは容易なことだった。そんな中で、筆者が主にサプリメントを扱うネットワーカーの宮本和美さん(28歳、首都圏在住)と会ったのはJR中央沿線某駅近くのカフェ。勧誘トークをかわしつつ、コロナ下の景況を聞くと、次のように苦境を明かしてくれた。

「現在の毎月の利益を平均すると5万円。まだ下から数えたほうが早いタイトル(※販売員としてのランク)ですが、私はもっと上に行きたい。私の本業は訪問系の医療サービス。訪問先の患者さんにビジネスを紹介することもありました。てっきりコロナ禍で健康志向が高まってサプリメントなどが売れると思いましたが、不況下で患者さんもお金を払う余裕がなかったり、財布の紐が堅くなっていたりするので割と厳しい状況が続いていました」

 そんな中、彼女が次の販路として考えたのがマッチングアプリだった。

「やはり“夜の街”は感染リスクもあって、不特定多数の客が利用するピンク店も怖くて行けない。そんな男性がマッチングアプリで女性を物色したくなる気持ちはわかります。だからマッチングアプリで会った男性には『あなたがビジネスパートナーになったら私生活でも…』『カラダの相性も大事ですよね』とか、肉体関係をほのめかすんです。人あたりがよくて上昇志向があって、“リア充”っぽい男性が狙い目ですかね」(和美さん)

 こう言って手の内を明かしてくれたが、筆者もお眼鏡にかなったのだろうか。「これまで3人くらいと肉体関係を持った」「ネットワーカーでオンナを武器にしている人は多い」などなど、赤裸々な営業実態を語ってくれた。前出のジャーナリストが解説するには、

「ネットワークビジネスに関わる女性は周囲が見えず、契約を取るためなら手段を選ばないというケースが目立ちます。『契約したらホテルに行ってもいい』などとカラダを武器にしている女性も一部にはいますが、じつは計算高く、性的な関係が結べないまま法外な額の契約を交わしてしまったという男性は多い。また、1対1で食事を楽しんでいたら、仲間がやってきて囲まれてしまったという話も聞きます。コンタクトを取るのは自由ですが、よけいなトラブルに巻き込まれないよう細心の注意が必要です」

 マッチングアプリで“性接待”をチラつかせて販売会員の獲得に走る女性たち。これもまたコロナ禍が生んだ新しいビジネス様式なのかもしれない。

(石丸徹)

※写真はイメージです

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