ひき逃げ事件で逮捕された俳優の伊藤健太郎。彼を追いかけたタクシー運転手の証言でわかったひき逃げ直後の振る舞いなども影響して、世間では同情の声はほぼゼロ。芸能界からも言葉を選びつつ「残念」「なぜ逃げた?」など擁護の声はほとんど聞かれない。
すると、各メディアから次々と湧いてきたのが伊藤の生意気ぶり、高飛車ぶりを揶揄するような何様エピソードの数々。そんなメディアの報道ぶりに苦言を呈したのが、EXITの兼近大樹。兼近は11月1日の「ワイドナショー」(フジテレビ系)に出演すると、被害者が出てることや、芸能関係者にも多大な迷惑をかけていることから、事件そのものについては「ダメなこと」と叱咤。それでも「すごく叩く風潮っていま流行ってるじゃないですか。この事件があってから急に実は調子乗ってたみたいな。急にどんどんどんどん出始めて。前から言っとけよってすげえ思いますね。後出し感がえぐい」と、伊藤の逮捕後に性格を叩く報道が多くなったことを批判。でも、ネット上では「その意見はおかしい」とバッサリな声が多かったとか。
「兼近さんのメディア批判もわからないではありませんが、まず言えるのは伊藤容疑者が生意気キャラだったことはひき逃げ事件を起こす前からけっこう有名でした。web記事では検索すればわんさか出てくるほどです。マネージャー問題などは有名な話です。そうした悪評が、事件によって改めて再脚光を浴びたという印象ですね。それとたくさんの人が書いていましたが、事件も起こしていない有名人を生意気だと叩きまくるのはそれこそ誹謗中傷なだけで、何かきっかけがなければ大手メディアにそんなことができるわけがないということ。ですから、兼近さんの『前から言っとけ』に失笑が起こったわけです」(女性誌ライター)
兼近もメディアの餌食になった苦い経験があることで他人事ではなかったのかも。でも、今回の「前から言っとけ」は少々的外れ。実はとっくに言われていたというのが世間の声。ともかく、松本人志が番組中に言った「逃げなきゃいいじゃん」が全てという気も。どれだけ生意気でも、車で人を負傷させたら、すぐに止まって車から降りて被害者に駆け寄る。伊藤が正しい対処さえ行っていたら、こんなに後出しブーイングも出なかったはず。兼近のさぶ〜いギャグを借りるなら、世間はひき逃げこそが“許せナイチンゲール”ってことでしょ?
(小机かをる)