新型コロナウイルスの影響で史上類を見ない混乱状態に陥ったプロ野球も、まもなくシーズンが終了しようとしている。球界を揺るがした「コロナ事件」の闇真相に迫る!
9月に阪神を襲った球界2度目の新型コロナ集団感染にタメ息をついたのもつかの間、今度はロッテでクラスター感染が発生してしまった。
10月4日、今季5勝を挙げるローテ投手の岩下大輝(24)とチームスタッフ1名のコロナ陽性が発覚。同日に球団関係者全員にPCR検査を実施したところ、野手レギュラー格の荻野貴司(34)、藤岡裕大(27)、角中勝也(33)ら選手7人に加え、コーチ、球団職員らの感染が確認され、球団内で総勢13人の大量感染者を出す事態となったのだ。
「2強4弱」と言われる今季のパでソフトバンクと激しい首位争いを演じる最中の出来事だ。球団の松本尚樹本部長が会見で、
「これまで外出禁止とか、外での食事も4人以内で部外者なし、と状況によって決めてきた。このルールを破ったものは今回、一人もいなかった」
と調査結果を発表したことで、一部では同情論も巻き起こっていた。
ところが、この公式発表を覆す仰天証言が「アサ芸」編集部に寄せられたのだ。今回、陽性が発表された選手の知人から裏事情を聞いた球界関係者が明かす。
「6日に追って感染が発表された選手7人は、野手ばかりの仲よしグループでした。彼らがメンバー全員で外食に出かけていたと聞いています」
つまり、大本の感染源が岩下なのか、あるいはまったく別の経路なのかは不明だが、「ルール破り」の会食がクラスター発生の原因だったというのだ。
「直前の札幌遠征が怪しい。というのも、『外食4人ルール』は遠征先ではそれを超える人数も黙認する風潮があったというのです。球団は、5日に岩下以外の陽性者が出たと発表しましたが、氏名の公表は6日。実際には5日の時点で判明していたし、球団外でもそれを把握している人間もいました。その知人は会食の事実を打ち明けられたとも。『感染源はわからない』『ルールを破っていない』という口裏合わせのためなのか公表を引き延ばし、『感染は不可抗力だった。選手たちは被害者だ』として処分もなし。優勝争いの状況下ですから、チームに水を差さないようにしたのでしょうね」(球界関係者)
阪神の例では、人数制限のルールを破った会食からクラスターが発生し、最年長者だった福留孝介(43)を中心に内外からのバッシングが起こった。その様子を目の当たりにしたからこその措置だったのか‥‥。ある球界OBはこう憤慨する。
「本来ならNPBがコロナ対応の統一ルールを作って、違反した選手や球団に罰則を与えればいいんだが、『全球団を管理できない』と面倒くさがって、各球団に一任している。それがよくない。だからこういうグレーゾーンの話も聞こえてくるんだ。球団だって、なるべくイメージダウンさせないストーリーに持っていくに決まっているじゃないか」
コロナ禍を巡っては10月9日、相次ぐチーム内での集団感染の責任を取って、阪神の揚塩健治球団社長(60)が辞任を表明。「国難」と呼ばれる大きな問題だけに、球界一丸となっての対策が求められよう。