「サブウェイ」のロールパンはパンにあらず!? 最高裁で判明した驚きの生地成分

 世界最大の米ファーストフードチェーン「サブウェイ」のサンドイッチに使用されているパンに対して、アイルランドの最高裁判所は「パンではない」との判決を下し、世界中から驚きの声が上がっている。

「アイルランドでは付加価値税という日本でいう消費税のようなものがあるのですが、主食であるパンは軽減税率が適用され、非課税とされるのです。ただし、軽減税率が適用されるのはあくまで主食としてのパンであり、その定義のひとつとして『糖分の量は生地に含まれる小麦粉の重量の2%を超えてはならない』と定められているのです」(フードジャーナリスト)

 アイルランドでサブウェイを運営するブックファインダーズ社は「サブウェイのパンは、(主食としての)パンである」と付加価値税の非課税を求めていたが、税務当局によって認められなかったため裁判所に提訴していた。しかし最高裁の5人の裁判官によれば、サブウェイで提供されている白パンと全粒粉パンはどちらも小麦粉に対して10%近い砂糖を含んでいることから、主食としてのパンであることは認めず、軽減税率が適用されない、日本でいうところの“菓子パン”に分類されると結論付けたのである。

「欧州では基本的に、バゲットのみが“パン”として認められ、それ以外は菓子パンの扱いになりますからね。今回の報道を受けて日本では、《サブウェイのパンってそんなに砂糖が多く入っているの?》《ヘルシーだと思っていたのにショック》といった声も聞かれますが、それは少し違います。サブウェイのパンはあくまで軽減税率が適用されない量の砂糖を使っているだけで、バゲット以外の他の菓子パンなどと比べて特別砂糖を多く使用しているというわけではないのです。ちなみに、日本で作られるパンのほとんどは、アイルランドの付加価値税法に当てはめれば軽減税率適用外のものばかりです。今人気の高級食パンなどは柔らかく仕上げるために大量の砂糖を使用しているところも少なくないですからね」(前出・フードジャーナリスト)

 なお、裁判では認められなかったもののサブウェイの広報はCNNの取材に対して「サブウェイのパンは当然パンだ」とあくまでパンであることを強調している。アイルランドの最高裁判決がここまで世界的ニュースになったのも、サブウェイの人気の裏返しかもしれない。

(小林洋三)

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