下半身が消滅しても飛び続ける!「ゾンビゼミ」集団発生が人類に及ぼす脅威

 死者が突然蘇り、死体のまま次々に人間に襲い掛かる——、それがホラー映画に登場する”生ける屍”ゾンビだ。

 米CNNは8月4日、病菌に感染して心と体を操られ、「ゾンビ」と化して感染を拡大させ、”仲間”を増やしていくセミの集団が見つかったとして、米ウェストバージニア大学の研究チームが学会誌に調査結果を発表したと伝えた。

 同大学の発表によれば、セミに感染するこの「マッソスポラ」と呼ばれる病菌は、まずセミの生殖器と尾部、腹部を食い落とし、菌の胞子と入れ替えるのだという。

「ところが、セミは体のほぼ3分の1がこの菌の胞子に入れ替えられても、そのまま動き続けるというんですね。理由は、この菌が持つ、宿主を殺さず生かし続けて操ることで、最大限に胞子をまき散らす、という特性があるから。そのため、ゾンビゼミは下半身が消滅してもなお、交尾や飛行などの活動を続けると言われます。つまり、これは昆虫を殺す菌としては極めて特異だと考えられているんです」(細菌に詳しいサイエンスライター)

 今回、ウェストバージニア州で、マッソスポラ菌に感染したセミの集団が発見されたのは3度目だが、ゾンビ映画さながらの「相手を襲いゾンビに変えていく」という手口に、SNS上では、

《コロナも人間を個別によく見てて、相当数はあえて軽症に済ませることによって、わざと拡散に利用しようとしているようにも見えてしまう》《コロナより怖い……まず、病菌がこのように何かを『操る』なんてことが可能だということがとても恐ろしい。今のところ人間には危険性がないと強調されているようだが、生態系そのものにはどういった影響があるのだろうか……》と、不安の声が続々。同研究所の発表では、人間への感染の可能性は低いとされるが、それでも……。

《一番怖いのは、この菌がもともとあったものなのか、あるいは、ここ数年で突然変異でできたものなのかという点。そうなると人間に寄生って話も将来でてきそう?》《HIV、黒死病、SARS、コロナは全部動物から人間に移ったもの、昆虫から動物、動物から人間は可能性ゼロとは言えない》と“人間界”への感染を疑問視する声も多い。

 さらに、ただでさえ寿命が短い中、恐ろしい菌に侵されゾンビ化するセミたちについては、

《地上に出て数週間の命なのに、人生の終末がこれではかわいそうだ》《何年間も土の中にいて、地表出てからの寿命は数週間……通常のセミの一生だけでもとんでもなく不憫なのに、最後の輝かしい限られた時間をゾンビにもってかれるなんて……カワイソすぎるよ》 などと同情する声も……。前出のサイエンスライターが語る。

「今回発見されたのはアメリカですが、実は日本でも過去に2例、ゾンビゼミの発見報告があるんです。つまり、この“ゾンビゼミ現象”が世界各地で発生している可能性は否定できないということ。中国の山東省などでは現在もなお、セミの幼虫を素揚げにしたものを伝統料理として普通に食していますからね。新型コロナに次いでゾンビゼミ由来の新たな病原体が出ないことを願うばかりです」

「たんぱく質の宝庫」として最近流行の兆しを見せる「昆虫食」。なかでも、人気があると言われるセミだが、安易に口にしないほうが賢明のようだ。

(灯倫太郎)

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