たとえ宿命とはいえ、親との死別というのは考えたくないものです。
いざその時を迎えてみると、予期せぬトラブルは意外に多いようで、例えば親の葬儀に誰を呼ぶべきかわからなかったり、どこのお墓に納骨すべきか迷ったり、はたまた親が利用していた金融機関を知らずに苦労したりと、枚挙にいとまがありません。
そのため、近年は生前に親と子が共同作業で終活を行うケースも増えています。終活とは、いわば理想の最期を迎えるための生前準備。そのサポートを行うのが、今回ご紹介する「終活カウンセラー」です。相続、遺言、葬儀など、幅広い知識が学べます。
それでは例題を見てみましょう。
〈問1〉高齢者が死後の希望を書き留めておくためのノートのことを【1】アフターノート、【2】エンディングノート、【3】ライフケアノート、【4】ファミリーノートのうち何と言う?
〈問2〉故人が国民健康保険などに加入していた場合、自治体などから葬祭費用の一部が支給される「葬祭費給付金制度」。この給付金を受け取ることができるのは【1】葬儀業者、【2】長男、【3】配偶者、【4】葬祭を行った人(喪主)のうち誰?
試験区分は初級と上級があり、受験形式は全国各地で受ける会場試験と、パソコンを利用したインターネット試験を選ぶことができます。例題の答えは〈問1〉が【2】、〈問2〉が【4】となっています。
終活の知識を生かせる職業といえば、葬祭業や(お墓を取り扱う)石材業、保険業などさまざまですが、まずはご自身の家族について考えてみてはいかがでしょうか。
前述したように、この資格では相続についても学ぶことができます。例えば2018年に相続法が40年ぶりに改正されましたが、大きな変更点といえば、遺言書の作成・管理がより簡便化されたこと。遺産の分け方に関する意志を明確な形で残しておくことで、兄弟姉妹間で相続争いが起きるのを避ける狙いがあると言われています。遺産を巡って家族仲が悪くなってしまっては、天国にいる親も浮かばれませんからね。
終活の知識があれば、シニア層に向けたカウンセリング業を始めることもできます。中には、エンディングノートや遺言書の書き方、相続などのアドバイスを1万円程度で行っている事業者もあるようです。
また最近では、ブログだけでなく、フェイスブックやツイッターといったSNSを活用する高齢者の方も珍しくありません。
今後は「万が一の時、SNSはどのようにしますか。パスワードはどこに保管していますか」「ご家族にも見られたくないデジタル記録はどこに保管されていますか」といった、デジタル面でのサポートも求められるでしょう。
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鈴木秀明(すずきひであき)/81年生まれ。東京大学理学部、東京大学公共政策大学院を経て資格アドバイザーに。取得資格数は約700。