いよいよ7月23日(日本時間24日)にメジャーリーグのレギュラーシーズンが開幕する。7月に入って新規感染者数が7万人を超えるなど、感染拡大のピークが懸念されるなか、通常の162試合から60試合に縮小。それに伴って選手のギャラも70%近くカットされるとあって、出場辞退を申し出る大物メジャーリーガーが相次いでいる。
「ダイヤモンドバックスの右腕、マイク・リークが今季の不参加を表明して以降、ドジャースの左腕、デービッド・プライスらスター選手の“離脱表明”が続いています。理由は単純で、コロナに感染するリスクをおかしてまで試合に出場するなら、1年間じっくりと調整して来季にそなえるほうが得策だと考えたからです。ただ、なかには糖尿病などの持病を抱えていて命の危険を訴えるケースもあれば、メジャーを代表する捕手バスター・ポージー(ジャイアンツ)のように幼い子供がいて、感染させたくないという“家庭の事情”を最優先させた選手もいます」(在米ライター)
高給取りのスター選手が抜けたことで、日本人メジャーリーガーの存在感が増すことは必至。とくに移籍1年目の秋山翔吾(レッズ)、筒香嘉智(レッズ)は、定位置獲得に向けて全力プレイを見せてくれるに違いない。
「メジャー全体を見渡しても投手力の低下は避けられない。コロナの影響によっては、開幕後も各球団の主力ピッチャーが抜けていく可能性も否めず、そうなると必然的に“打高投低”となるのは必至。二線級のピッチャーが相手でもまずは数字を残すことで、自信につながるはずです」
専門誌の記者はこう語ったうえで、日本人メジャーリーガーにとって、さらに追い風となる“離脱劇”について解説する。
「じつは選手だけでなく、審判員も76人いるうち11人が出場辞退を表明しています。その大半が55歳以上のベテラン審判員で、やはりコロナ感染による重篤化を恐れての決断だそうです。足りない審判員は3Aから若手を補充するそうですが、これまで、海を渡った日本人野手は、不可解なミスジャッジに悩んで調子を崩すケースが多々ありました」
この高齢の審判員の“離脱”がグラウンドにどんな影響を及ぼすのだろうか。
「これはボストン大学の調査で明らかになったのですが、400万球におよぶ膨大なデータを調べた結果、ストライクかボールかの判定で、1試合平均14回ものミスジャッジがあったことが明らかになりました。審判員の個別の“誤審率”をはじき出したところ、ワースト5は全員50歳以上。誤審の少ない球審上位5名はいずれも47歳以下。上位10名の審判経験年数を平均すると3年以下で、若手のほうが正確なジャッジをしていたことが判明したのです。ベテランの審判員が辞退したことで、メジャー全体の審判員の若返りが進むとともに、誤審率も低下すると見られています。メジャーでは新人の日本人選手も、正確なジャッジのもと、いかんなく実力を発揮できるかもしれませんね」(前出・専門誌記者)
ダルビッシュ有や田中将大ら投手陣の活躍ばかりが報じられてきたが、大谷翔平をはじめとした“侍バットマン”が台風の目となるか。
(渡辺俊哉)