「隅田川花火大会」中止でも“生放送”敢行!テレ東のブレない姿勢に称賛の声

 7月25日に予定されていた夏の風物詩、隅田川花火大会。今年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となった。ところが、42年にわたって大会を中継してきたテレビ東京が、今年も“生放送”するのだという。

「タイトルは『がんばろう日本 隅田川花火大会 特別編』(後6:30〜8:54)。MCにはお馴染みの高橋英樹、角谷暁子(テレビ東京アナウンサー)を起用し、過去の大会映像を観ながら浴衣姿のゲストらと、井戸端会議をするという、テレ東らしいいつものまったりとした番組になるようです」(情報誌記者)

 大会が中止してもなお「生放送する」という“英断”に、ネット上では、

《過去の花火の名場面を眺めながら自宅でビール片手に花火鑑賞か。都内の花火大会の人出はえげつないから。それはそれで良いかもね》

《テレビを見ている分には過去の花火大会もリアルでやっている花火大会も大差なし。きれいな映像見ながら涼しい部屋で食べたり飲んだりステキな時間になりそう》

《これは素晴らしいですね。リスクを背負って東京の人混みに紛れることなく花火を楽しめる、テレビの醍醐味ではないでしょうか》などなど、絶賛の声が……。

 テレ東と言えば、来春入社組の就職希望先人気ランキングで、フジ、NHKを抜き、初めてテレビ業界のトップに立ったと報じられた。前出の記者が言う。

「これは企業人事部向けコンサルティング会社が行った2021年3月に大学か大学院を終える1万2504人を対象に行った就職希望先調査の結果なんですが、テレ東はテレビ業界で1位、しかも全企業の中では51位という人気ぶりでした。というのも、今、テレビ業界に反感を抱く若者は多い。理由は相次ぐ不祥事やニュース、ワイドショーへの不信感からで、SNSには連日、それらの批判が大量に書き込まれています。ところがテレ東に限ってはSNSで《俺たちのテレビ東京》という言葉が飛び交うほど、皆、優しいまなざしを送っている(笑)。その理由は他局のように視聴率偏重主義に陥ることなく、やらせや過剰演出といった不祥事が少なかったことがひとつ。さらには、70年〜80年代に全盛を誇ったラジオの深夜放送的なコアなファンの獲得に成功したことが大きいと言われています」

 確かに、「ゴッドタン」(土曜深夜1時45分)にしろ、「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(土曜7時54分)にしろ、「家、ついて行ってイイですか?」(水曜午後9時)にしろ、「数字が取れるから」ではなく、「これがやりたいから」という、制作者の独自の意図や手法が感じられるのも事実だ。

「隅田川の花火中継にしても、42年放送してきたとはいえ、ずば抜けて視聴率がいい番組ではない。でも、せっかく続けてきたんだから、今年もみんなで楽しもうぜ!という、姿勢が感じられます。このブレない番組作りが視聴者の支持を得る要因だと思いますね」(前出・情報誌記者)

 学生注目の人気企業になれば『どうせウチはテレ東ですから』という自虐ジョークも通用しなくなるかもしれないが、これからもテレ東らしさを貫いてほしい。

(灯倫太郎)

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