韓流好きやガールズグループ好きが大注目していた大型オーディションの「Nizi Project」が、6月26日未明に放送された「虹のかけ橋」(日本テレビ系)でファイナルを迎え、デビューメンバー9名が決定した。
同プロジェクトは「TWICE」らの人気韓流グループを手掛けた大物プロデューサーの“JYP”ことパク・ジニョン氏がソニー・ミュージックとタッグを組んで実現したもの。ジニョン氏はグループ名を「NiziU」(ニジュー)と命名し、「Need you」(あなたが必要)の意味も込められているという。
6月30日には配信ミニアルバムで“プレデビュー”し、秋にはメジャーデビューも予定する「NiziU」。その顔ぶれについて音楽ライターがこう指摘する。
「世間ではTWICEの妹分とみなされているNiziUですが、TWICEとはひとつ大きな違いがあります。2015年にTWICEが結成された際、日本人メンバーの3人は全員が18歳以上で高校を卒業していました。それに対してNiziUではマコとリオの2人を除く7人が15から18歳の現役高校生。応募資格で中学生こそ対象外だったものの、TWICEより明らかに年齢を下げてきたのです。TWICEがデビュー5年目で徐々にファン層の年齢も上がってきたこともあり、NiziUではターゲットの世代をぐっと下げたのでしょう。今後は小学校高学年から中学生もファン層として重視されそうです」
そんなNiziUに注目が集まる一方で、日本国内でも同じような世代をターゲットにしたガールズグループが存在感を高めているという。音楽ライターが続ける。
「E-girlsで知られる大手芸能事務所が仕掛ける『Girls2』(ガールズガールズ)です。2019年3月に結成され、今年5月20日にリリースした1stアルバム『チュワパネ!』はオリコン3位にランクインしました。一般的な知名度はまだこれからですが、子供向け情報番組『おはスタ』(テレビ東京系)に出演する“おはガール”は現在、全員がGirls2との兼任。しかも全員が女児向け実写ドラマ『ガールズ戦士シリーズ』のヒロインを務めており、小中学生への浸透度は相当なものがあります」
そのGirls2は偶然にもNiziUと同じ9人組。年齢は中二〜高二と、NiziUよりも少し平均年齢が低いものの、先輩にあたるE-girlsから大幅に年齢を下げてきたという面では、NiziUと同じような戦略だといえそうだ。
「この2組はともにターゲット世代を下げており、ファン層がバッティングする可能性は高いかもしれません。NiziUはオーディションを通して韓流らしい高いパフォーマンス力をアピールしてきたのに対し、Girls2も全メンバーが、有名ダンススクールの『EXPG』出身で、やはりダンスの切れ味が魅力の一つ。それゆえ今後は両グループの間でファン争奪戦が繰り広げられそうです」(前出・音楽ライター)
なおGirls2も所属レーベルは同じソニー・ミュージック。それゆえ一番美味しいのはNiziUとGirls2の“切磋琢磨”で利を得るソニー・ミュージックなのかもしれない。
(北野大知)