「テラスハウス」木村花さん逝去で悔やまれるチュート徳井の“不在期間”

 若者を中心に人気を集める恋愛リアリティー番組「テラスハウス」(フジテレビ系)に出演中だった女子プロレスラーの木村花さんの逝去という痛ましいニュースが、5月23日に報じられた。死因は明らかにされていないが、亡くなる直前のインスタグラムの投稿に遺書めいた文言があったことから、“自死”と見られている。木村さんは同番組での行動をきっかけにネット上を中心に激しい誹謗中傷を受けていた。

「木村さんへの誹謗中傷は酷いものでした。木村さんのTwitterには『消えろ』や『テラスハウスからいなくなってくれ』など多くの心ない声が毎日のように送り続けられていました。度重なる誹謗中傷を受けた木村さんのインスタグラムにはもう限界だと漏らすような投稿も見られました。」(芸能ライター)

 木村さんへの誹謗中傷がヒートアップした背景には、かつて同番組のMCだったチュートリアル・徳井義実の不祥事による「降板劇」が影響しているとの声があがっている。

「もともとこの番組はMCの南海キャンディーズ・山里亮太さんと徳井さんとのトークのバランスで成り立っている部分が大きかった。山里さんが少しトゲのある言い方で出演者をイジり、徳井さんがボケつつ、出演者をフォローすることで視聴者もある意味、ガス抜きができるというスタイルでした。しかし、2019年の秋に徳井さんが代表を務める法人の『無申告』が発覚して番組を降板。徳井の不在によって“ストッパー役”がいなくなり、視聴者の間で徳井のように優しく見守る目線が失われてしまったのかもしれません。なお、ファンの間で物議をかもした“コスチューム事件”の放送回にも徳井は出演していませんでした」(前出・芸能ライター)

 この傾向を危惧する声は芸能界からも聞かれていた。「テラスハウス好き芸人」を公言するお笑いコンビ「ニューヨーク」の屋敷裕政は今年2月、公式YouTubeチャンネルで「徳井さんがいなくなったことで山里さんがボロカスに言うのを止める人がいなくなり番組自体が暴走してしまっている。番組制作陣も敢えて出演者が悪く映るように編集していて、出演者皆が叩かれる状態になってしまっている。このままだとテラスハウスは終わってしまうかもしれない」と、「テラスハウス」の現状を嘆く発言をしていた。

 この事件はネット上で大きな波紋を呼び、多くの芸能人が一般人からの誹謗中傷問題に怒りの声を上げ、SNS社会の問題を浮かび上がらせた。番組が木村さんを誹謗中傷から守る対策をしなかったことへの批判が集まるなか、5月25日の地上波での放送と、5月26日のNetflixでの新エピソードの配信を休止することが発表された。木村さんはまだ22歳の若さで、プロレスラーとして将来を嘱望される存在だった。

(浜野ふみ)

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