伝説のドラッグ密売人「芸能顧客リスト」と壮絶最期「遺体がミイラ化して…」

 8月4日付のスポーツ新聞には、芸能界を震撼させた2つの薬物事件が掲載されることとなった。ひとつは前日に行われたシンガーソングライターの槇原敬之元被告の判決公判、そしてもうひとつは恋愛リアリティ番組「テラスハウス」に出演していたモデル男性の逮捕を報じたものだった。

「芸能界という華やかな世界に、いかに違法薬物が蔓延しているか。それを象徴するようなニュースでした。東京地裁で行われた裁判では、槇原元被告に懲役2年(執行猶予3年)の有罪判決が下されました。槇原被告は99年にも違法薬物犯罪で有罪判決を受けていますし、今後もしも同様の犯罪に手を染めた場合、たとえ執行猶予明けでも実刑判決がくだされる可能性は高いでしょう。7月には控訴審で田代まさしに条件付きながら実刑判決が下されましたが、懲役刑のリスクを頭では理解していても、なかなかやめられないのが薬物の恐ろしさと言えるでしょう」

 だが、槇原元被告や田代まさし元被告のように逮捕され、メディアで“さらし者”になる有名人は氷山の一角かもしれない。

「かつて芸能界で伝説のドラッグ密売人と言われる男性がいたんです。彼の“顧客リスト”には驚くようなビッグネームが名を連ねていました。それこそ誰でも知ってるバンドのメンバーやお笑いコンビ、さらにはミリオンを連発した女性シンガーの名前もあり、レコード会社の某有名プロデューサーも彼から仕入れていたんです。そのプロデューサーも今では出世して大幹部になったようですが…」

 こう語るのは芸能関係者のX氏だ。その密売人は「ドクター」の愛称で知られ、依頼があれば大物芸能人に違法薬物を手配。時には彼の自宅に芸能人がこっそり買いにくることもあったという。

「みずから“芸能人専門”をうたうだけあって、口は堅かったと聞いています。住居も何度か引っ越していたようですからね。彼や周囲の得意客は違法薬物の常習者を“ガラス職人”と呼んでいました。というのも、ハードな常習者は“アブリ行為”をする際に、ライターなどではなく、ガスバーナーを使うんです。ガラスの器具をアブっている様子から、そう呼ぶようになったとか。そうそう、ある日、彼の家でくつろいでいたら電話が鳴って『俳優のXが来るからちょっと隠れてて』と言われてクローゼットに身を隠したこともあります。顔は見られませんでしたが、声を聞く限り本物でしたよ(笑)」

 もしもこの密売人が逮捕されていれば、日本の芸能史は大きく塗り替えられていたはずだとX氏は述懐し、その壮絶な最期を振り返る。

「ある日、警察から自分に電話が入ったんです。なんでも彼の携帯の着信履歴を見てかたっぱしから電話をしているとのことでした。それが警察も困惑した様子で『彼は太っていましたか? それとも痩せていましたか?』なんて変なことを聞くわけです。不思議に思って、聞いてみると、身寄りのない彼は自宅マンションで孤独死した様子。冬だったこともあり、遺体がそのままミイラのようになってしまったとか。もう10年くらい前のことですが、はっきりと覚えていますよ。おそらく、彼の着信履歴に入っていた芸能人にも警察から連絡が行っているか、もしくは今も“要注意人物”としてマークされている可能性は高いでしょう。実際、彼から頻繁に買っていたミュージシャンは海外に移住してしまいました。いまでもテレビで頻繁に見かける大物司会者も彼の顧客でしたが、この事件以降、すっぱりと違法薬物から足を洗ったと思いたいですね」

 コロナ禍においても、前出の“テラハモデル”をはじめ人気バンドのメンバーが逮捕されるなど芸能人の摘発が後を絶たない。これ以上ファンを悲しませることが起きないよう祈るばかりだ。
 

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