日本のファミレスが消える!? ロイヤルホスト「大量閉店」に見るコロナの爪痕

 外食チェーン「ロイヤルホスト」や「天丼てんや」を運営するロイヤルホールディングス(HD)は、2021年末までに不採算店約70店舗を閉店すると発表した。ネット上では驚きの声が多く上がっているが、これが“ファミレス崩壊”の序章とする意見もある。

 同社は、政府の緊急事態宣言が出された当初から多くの店舗で臨時休業や時短営業を実施してきたため、ロイヤルホストの売上高は前年同期比42.1%にとどまってはいるが、5月・6月も4月と同水準の状況が続くと想定。不採算店の閉店のほか金融機関に100億円の融資枠設定を求め、役員報酬の減額も決めたという。

 なお、前述の「70店舗の閉店」について、ロイヤルホストのホームページでは5月16日に《一部報道でロイヤルホストが大量閉店を計画しているとも受け取れる掲載があり、多くのお問い合わせ、ご意見をいただいておりますが、閉店予定としております70店舗につきましては、グループ内の他の業態を含む数で計画をしているものでございます》との文書を公開し、「完全閉店」ではなく、あくまで臨時的な措置のひとつであることを強調している。

 だが、14日に同社が発表した「業績予想の修正」によれば、2020年1〜6月期は、売上高が当初予想の664億円から41・3%減少し、純損益は155億円の赤字に転落する見通しだ。

「大量閉店は決してロイヤルホストに限った話ではないでしょう。ファミレスは多くの客が家族連れなど複数人で来店し、ボックス席で向かい合って食事をすることから3密状態ができやすい状態になり、売りでもあるドリンクバーやサラダバーなども飛沫感染のリスクが考えられるため、利用を避けられる傾向にあります。

 イタリアンレストランの「サイゼリヤ」は、18日に「3密を回避するためのレイアウトおよび設備の変更」などのため全店一斉休業しましたが、それでも家族連れが戻るかというと見通しは厳しい。ロイヤルHDが予測するように、ファミレスは6月以降も客足が伸びない可能性が高いですからね」(経営コンサルタント)

 どこまで持ちこたえられるか。

(小林洋三)

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