北海道日本ハムファイターズの吉田輝星投手が一部メディアの取材に応じ、プロ1年目のシーズンについて振り返った。吉田の口から出たのは、高校生とプロの間にある大きな壁、レベルの高さなど“反省の弁”ばかり。昨季は4試合に登板して1勝3敗。12点台という防御率を考えれば、いたしかたないかもしれない。
しかし、対戦相手となる球団はというと、吉田の“自己評価”とは違った見方をしているという。
「今季、飛躍が予想されている2018年のドラフト組は吉田、広島の小園海斗、巨人の戸郷翔征。吉田は昨季、一軍で挨拶程度しか投げていないので、対戦チームはデータをほとんど持っていません。それもプラスに転じそう」(在京球団スタッフ)
ブレイクする若手に見られる兆候の1つが、体が大きくなること。近年の例を挙げれば、大谷翔平がそうだった。太ったわけでもなければ、マッチョになったわけでもない。筋トレの影響もあったかもしれないが、野球選手として適量の筋肉で胸板が厚くなるとともに、体幹が太くなるのだ。プロの壁にぶつかって自分に足りないものを知り、1年目のオフにみっちり基礎体力トレーニングをやる。コーチに指示されなくても、プロの肉体を作り上げていく。一流と呼ばれる選手には、そんな肉体が変貌する時期があるのだそうだ。
「栗山監督が描く今季の先発ローテーションのなかに吉田はいません。しかし、先発6人のなかにはショートスターターの加藤貴之や、ベテランの金子弌大(旧名:金子千尋)の名前も入っています。当然、吉田にもチャンスがめぐってくる可能性も考えられます」(スポーツ紙記者)
昨季の吉田は二軍で勝ち星を挙げる前に、一軍で勝利投手になる“幸運”もあった。インタビュー企画で反省ばかりを述べていたのは、現在の力量を客観的に見ている証拠で、向上心の表れとも言えそうだ。
「体が大きくなった」。プロのスコアラーたちのお眼鏡にかなった今季の吉田は要注意だ。
(スポーツライター・飯山満)