台湾のプロ野球が4月12日に開幕、韓国のプロ野球が5月5日、韓国Kリーグが5月8日と、新型コロナウイルスの影響で開幕を延期していたスポーツが次々と開幕した。
だが、日本のスポーツは一向に再開が見えてこない。5月11日には日本野球機構とJリーグが「新型コロナウイルス対策連絡会議」を行ったが、日程など具体的な議論はされないまま。再開は先のことになりそうだ。
Jリーグ再開が延期したことで注目を集めているのがJリーグ・横浜FCに所属する「キングカズ」こと三浦知良選手だ。
カズは今年、13年ぶりにJ1リーグに復帰。試合に出場すれば、中山雅史が持っている45歳2カ月1日のJ1最年長出場記録を更新し、ゴールを決めればジーコのJ1最年長得点記録41歳3カ月12日を塗り替えることになる。残念ながら2月23日の第1節ではベンチ入りできず、記録の更新はならなかった。
「どちらの記録も今年更新されるのはほぼ確実でした。ところが、Jリーグが中断されたことで、更新に黄色信号が灯っています。Jリーグはルヴァンカップを短縮し、天皇杯もリーグの上位2チームだけが準決勝から天皇杯に出場することで大幅に短縮。その分、リーグ戦を1試合でも多く開催できるよう決定しました。ただ、リーグ戦全試合を行うのは難しいでしょう。おそらくDAZNとの契約でリーグが成立する75%を少し越えた試合数になるのではないでしょうか」(スポーツライター)
試合数が少なくなれば1試合あたりの重要度が増すことになり、大事な局面が増える。すると、ベンチ入りギリギリのカズが出場できる機会は少なくなるだろう。
「最年長出場記録は更新できると思いますが、最年長得点記録は厳しいかもしれません。カズの昨年のリーグ戦出場数は3試合。ゴールを決めたのは17年(J2)が最後です。ただ、カズは11年に行われた東日本大震災復興支援チャリティマッチに出場し、ゴールを決めたことがある“持っている男”です。今年もやってくれるかもしれません」(前出・スポーツライター)
ただ、状況は限りなく厳しい。試合数が減ったことでJリーグ各チームはチケット収入が激減。J1サガン鳥栖は約20億円以上の赤字を抱え、チームの存続すら危ぶまれている。スポンサー企業も新型コロナウイルスの影響を受けて業績が悪化しており、来年の支援を取り止める可能性がある。そうなれば高年俸のベテラン選手から解雇されていくのが常。来季、カズが現役を続けられるのかは未知数だ。今年、記録を更新できず引退という可能性も捨てきれない。
それでもキングカズならなんとかしてくれるかもしれない。