「約ネバ」主演女優・浜辺美波、「昭和顔のカメレオン女優」の意外なルーツ

 今年の7月期には横浜流星とのダブル主演ドラマ「私たちはどうかしている」(日本テレビ系)の放送を控え、さらに12月には主演映画「約束のネバーランド」実写版が公開される浜辺美波。とくにこの主演映画は、「約ネバ」の愛称で知られ、累計1800万部を超える大人気コミックが原作なだけに、大ヒット間違いナシと言われる。

 まさに「国民的女優」への飛躍が期待される浜辺美波。意外なことに、女優業を本格化させたのは2019年、堀越高校を卒業した年だった。大学には進まずに女優に専念するとのことで、その手始めとなったのが卒業式後の3月に放送された時代劇の「大奥 最終章」(フジテレビ系)だ。「昭和顔」と評されることも多い浜辺だが、意外にも時代劇はお市の方の幼少期を演じた2013年放送の「女信長」を除けばこれが初めて。本作で浜辺は徳川綱吉の養女・竹姫を凛とした演技で演じ、新境地を切り開いたと言えよう。続けて7月には映画「アルキメデスの大戦」にて昭和8年という時代設定をものともせず、二つ結びの似合う昭和初期の令嬢を好演。いつも同じ顔つきのように見えて、実はまったく性格の異なる役を演じ分けるというカメレオン女優ぶりをアピールしたのである。

 そのカメレオンぶりは前年にヒロインを務めた映画「センセイ君主」でも発揮。本作ではどうしようもなくバカで単純な女子高生が、俺様系のツンデレ教師にアタックするという、浜辺のイメージを覆す役柄にチャレンジ。あの可憐で美しい顔付きで絶叫し、変顔を繰り出すというコメディエンヌぶりを見れば、引き出しの多さに驚かざるを得ないことだろう。

 2019年8月にはドラマ「ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜」(NHK)にて、タイトル通りのアイドル役にも挑戦。しかも一日署長というコスプレまで発揮したのだからファンにはたまらない絵となったのでは。ちなみに前述の1st写真集「瞬間」の取材では「歌と踊りは苦手なので、お芝居を極めたいです」と答えていたことも。その歌については「咲-Saki-」のサントラとしてCD「きみにワルツ/NO MORE CRY」を清澄高校麻雀部の名義でリリースしたことがあるのみ。ただ2018年には「LINE MUSIC」のテレビCMでモンゴル800のヒット曲「小さな恋のうた」を披露しており、今後の歌手活動にも期待したい。

 今年2月1日スタートのドラマ「アリバイ崩し承ります」(テレビ朝日系)にて主役の時計店主を務め、「時を戻すことができました。アリバイは、崩れました」の決め文句も話題になった浜辺。いまや若手演技派女優の代表格となった今、時を戻す必要もない快進撃は続いていきそうだ。

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