テレビ東京の小孫茂社長が3月26日、東京都内の同局にて開催された定例会見に出席し、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全社員の8割を在宅にした状態での放送を試すと明言している。
小孫社長は、25日に東京都の小池百合子知事が不要不急の外出を自粛するよう要請したことについて、「首都圏が新たな動きに出始めた。ワンステージ、深刻な方に変わったと受け止めています」とし、同局でも最悪のケースに備えるべく、リモートワークの態勢を整え、現状で「4割が在宅勤務しています」と説明した。
続けて、「明日はさらに強化し、外出禁止令までは来てないが、いずれ来ることを前提にさらに強い在宅勤務にした場合にどうなるか放送を続けながらテストします。明日は全社員の2割強が出社。残りの8割が在宅で通常の放送をやってみます。最終的には1割の出社でできるかと思っています」と現場での人手を最小限に抑えていく構想があることを明かした。
「テレビ局の通常放送を8割のリモートや在宅勤務で踏み切るというのは前代未聞の試みであり、最終的に1割の出社での放送が叶えば、今後は他のテレビ局もこの画期的な方針に追従することになるかもしれません。また、お笑いタレントの志村けんの新型コロナウイルス感染が発表され、芸能界にもウイルスの魔の手が及んでいる可能性が叫ばれていますから、こうしたテレビ東京の取り組みは社員を感染から守るという意味でも十分なモデルケースになり得ます。ネット上でも『さすがテレ東。やることがいつも斬新。コロナ対策がある意味で本当の働き方改革になってる』『今のタイミングでこの対応は危機管理ができていると思います』『こうした発信を企業が先陣を切って対応しているのは都民への危機アピールにもなって良いこと』とテレビ東京の斬新な働き方改革への絶賛コメントが多く集まっています」(テレビ誌ライター)
悲惨な現状を生み出している新型コロナウイルスではあるが、同時に新たな可能性を模索する機会をもたらしていることも事実。テレビ東京の画期的なチャレンジが奏功することを期待したい。
(木村慎吾)