先日、ホットペッパーグルメ外食総研が発表したところでは、2020年の飲食トレンドは「おもて無グルメ」なんだそうな。
それによれば、スマホで注文可能な「セルフ焼き肉店」や食券制でSuica決済可能な「お茶漬け専門店」などへの期待が高まっているのだという。確かに、AIやIT技術の活用が飲食に限らずあらゆる産業のトレンドになっており、特に人手不足が言われる接客業ではセルフ方式での人員削減と効率化がより声高に叫ばれてもいる。そして、
「『料理』と『サービス』を分けて考えたりする動きが広がってきて…サービスを簡略化し、その分、美味しさを追求する『おもて無グルメ』が注目される」
のだという。
事実、総研が例に上げた「セルフ焼肉店」として、「焼肉じょんじょん」が巷で話題になっている。同店は東京・恵比寿にあるカウンター焼肉専門店の姉妹店。だがじょんじょんではセルフで「サービスを簡略化」しているため、姉妹店の高級焼肉をなんと半額で提供しているのだ。そして2016年4月に東京・高円寺で業界初の完全セルフサービス店舗としてオープンしてから、現在、3店舗まで拡大している。
方式としては、客がセルフコーナーにおしぼりなどを取りに行って自らテーブルをセッティングする。メニューはテーブル毎のQRコードを読み込んでスマホで注文する。ドリンクもコイン式のビールサーバーで自らつぐか、自販機で購入する。
後片付けもセルフだ。だが、店内でのシステム説明やメニューの提供、退店後のテーブル清掃はスタッフが行う。ホール内で忙しくスタッフがあちこちのテーブルに飛び回る煩雑さを極力排除した形だ。
結果、通常はスタッフが行う作業の90%を客が行うことで、70席の店舗でも、キッチン1名・ホール1名での営業が可能になっているとのこと。
確かに、味と値段こだわる向きには嬉しいお店と言えるだろう。
(猫間滋)