楽天市場の「送料無料化」が出店者だけでなくユーザーにも響かないワケ

 大手ネット通販の「楽天市場」が一定額以上の購入者に向けて送料を無料化する方針を示したことで物議を醸しているが、同サービスを運営する楽天の三木谷浩史会長兼社長は「何が何でも成功させたい」と意気込んだ。

 1つの店舗から合計で3980円を超える買い物をしたユーザーに対し、送料の一律無料化を実現させると発表した楽天。しかし、無料にした送料を実質的に出店者に負担させるシステムや、「仮に公正取引委員会に反対されても実現させる」という三木谷氏の強引なやり方には多くの反発の声が上がり、楽天市場に出店するテナントが集う任意団体「楽天ユニオン」は1700人を超える抗議の署名を提出したとされている。

「あらゆるテナントを統括し、ネット上でモノを売りたい業者とモノを買いたいユーザーとを掛け合わせた楽天の功績は素晴らしいものですが、やはり出店者に負担させることで“送料無料ライン“という環境を実現させようとしている点については、独裁のようなイメージを抱かせてしまいます。また、カンファレンスにて、三木谷氏は『Amazonに負けているのは送料』だと断言しましたが、ユーザーからは楽天市場の買い物カゴまでの手間の多さや、購入時のメールマガジンのデフォルトでの登録設定、さらに雑多な関連情報が多く、目的の商品までのルートが分かりにくいといった問題点も指摘されており、シンプルで利便性の高さが人気のAmazonには送料以外の要素でも多くのリードを許してしまっていると評されています」(ネットライター)

 通常、“送料無料化“を謳えば、ユーザーからの反応は良好なものとなるケースがほとんどだが、こと楽天市場については他のユーザーインターフェイスの改善などを求める声が多く見受けられ、「Amazonに負けてるのはサイトの煩雑さと操作性の悪さ」「楽天のサイトは作りが古いまま」という意見もある。

 今後もAmazonへの対抗心を燃やすのであれば、送料無料化以外にも、ユーザーが求めている利便性への追求も欠かせないタスクなのかもしれない。

(木村慎吾)

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