日ハム・清宮を焦らせる「台湾の大砲」の逆襲表明

 北海道日本ハムファイターズが清宮幸太郎の二軍キャンプスタートを発表した。昨年10月にメスを入れた右肘の関節形成術によるもので、無理をさせたくないという首脳陣の配慮だろう。

「清宮は昨季も故障を抱えていましたが、一軍キャンプに振り分けられました。やはり、周囲がハイペースで仕上げていくので焦りも出てしまうのでしょう。『自分』を持っていないと言えばそれまでですが」(ベテラン記者)

 清宮も今季のブレイクがなければ“タダの人”で終わってしまう。しかし、危機意識を感じているのは清宮だけではなかった。台湾の4割ヒッター、王柏融外野手もそうだ。状況次第では、清宮と王がスタメンを争うことになる。

「昨季5位に低迷した敗因を探ると、退団した選手たちの力と、新しく加入した選手たちの力と若手の成長を足したものを比べたら、前者のほうが大きく、その穴を埋められなかったということ。たとえば、昨年の開幕三塁手は外野からコンバートさせた浅間でした。その浅間が前・正三塁手のレアードの抜けた穴を埋めきれませんでした。今季は前巨人のビヤヌエバをメインに使っていきます」(同前)

 三塁だけではなく、指名打者のスタメンも厳しい争いとなりそうだ。こちらは、清宮と王が争う。王は日本球界の事細かなサインプレー、遠征による疲労、初めて対戦する日本の投手への戸惑いなどで昨季は打率2割5分5厘、本塁打3、打点35と苦しんだが、日本のキャンプイン直前まで、古巣・台湾のラミゴの春季キャンプに参加。日台の両メディアに2年目のブレイクを誓っており、相当な意気込みだ。

「清宮は指名打者でこの王柏融と、一塁で中田翔とレギュラーを争うことになります。中田の意気込みについては、連日のように北海道の地元メディアが報じています」(球界関係者)

 中田、王の両ポジションのライバルが一軍キャンプのアリゾナでハイペース調整をし、自身は二軍でリハビリ調整。ライバルの動向が見えず、報道を介しての間接情報ばかりとなれば、清宮の焦りも増すだろう。その焦りが無理をすることにつながり、故障を繰り返すことにならなければいいのだが…。

(スポーツライター・飯山満)

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