“逃亡犯”のゴーン被告が今度はルノーに3000万円の退職金を求めているという。
ルノーは昨年1月にゴーンが会長職を辞任したと発表したが、ゴーンはこれを「茶番」として昨年末にフランスの労働裁判所に退職金3000万円を求める訴えを起こしたという。保釈金15億円を棒に振ったのは日本脱出の必要経費、脱出費用にも億の金がかかったのではないかと言われ、上手く脱出したと思ったら、日産に買わせたレバノンの自宅で都合の良いマスコミを選んで長広舌を振るい……と、まさに金にあかせてやりたい放題のように思えるのだが。
安いと言われた日本の経営者の報酬を高額報酬に引き上げたのもゴーンだった。以後、日本でも破格の高額経営者が目立つようになった。そんな「強欲経営者」について、時事通信がまとめたところでは、まず、ゴーンは親会社のルノーから日産に送り込まれた2年後にCEOに着任、黒字転換したことで最初に打ち出したのが役員報酬総額の上限の引き上げだったという。10億8000万円を15億円に引き上げ、9年ぶりに役員賞与も復活させた。
2010年の株主総会では、リーマン・ショックで業績が悪化したにもかかわらず日本企業最高額の8億9000万円を受け取っていたことで株主の反発にあったが、「同規模のグローバル企業に比べればまだ安い」と一蹴したという。
時事通信の記事では以下、09年からの4年間で8560億円の赤字でも20億円以上の報酬を受け取っていたソニーのハワード・ストリンガー、自社の時価総額の2倍以上の6.6兆円という、アナリストが「無謀な買収」と評したM&Aを行う一方、16年からの3年間で31億7000万円を受け取った武田薬品のクリストフ・ウェバー、16年からの3年間で日本人社長の24倍もの報酬となる64億8500万円を受け取ったセブン&アイのジョセフ・マイケル・デピントなどの高給ぶりが紹介されている。
一方で世界に目を移せば、例えばアップルのティム・クックの2019年の報酬は一般社員の200倍の12億5000万円、グーグルCEOで親会社のアルファベットのCEOも兼務することになったサンダー・ピチャイは会社が業績をクリアできれば22年までに164億円の報酬を受け取ることになる。最高額はオラクルのマーク・ハード(故人)で、その額なんと118億5000万円とか。
ただ彼らの場合、業績と連動しての数字な上に、真のグローバル企業としての業績達成が前提なのが日本企業の腰掛け外国人経営者とは違うところだ。
(猫間滋)