大学病院の現役医師が「ガン治療のウラ」大暴露(1)「大変なことになりますよ」

 日本人の2人に1人が罹患し、3人に1人が命を落とすとされる「ガン」。そして患者には口が裂けても言えない、驚愕の治療現場があった。決して表に出ることのない闇情報を、覚悟の現役医師5人が洗いざらいブチまける。

─名だたる有名病院の医師5人に集まっていただきましたが、ここでは全てホンネで語ってもらいます。まずは病院にとってガン治療はどれほど儲かるものなのか。そのあたりからうかがいましょう。

A ガン患者はまさしくドル箱。要は「手術」と「抗ガン剤治療」の2セット。これで病院は儲かる。

E 手術だけで患者に逃げられたら「商売上がったり」ですからね。

A 手術そのものは「労多くして益少なし」だから。商売としては、手術後の抗ガン剤治療が最大のポイント、勝負どころとなる。

B ただ、他臓器などに転移のある手術不適用の患者は別として、まずは手術に持ち込まないことには話が始まらないわけで。

A そういうことになるね。だから大々的な手術は必要なしと思われる患者に対しても「手術をしなければ大変なことになりますよ」とか、「あなたに生きてほしいと思っているのです」と話して、手術に持ち込もうとするわけです。

C 私が所属している泌尿器科でも、つい最近、耳を疑いたくなるようなケースがありました。血尿が出てやって来た患者なのですが、さっそく、膀胱鏡でのぞいてみると、膀胱内にガンが見つかった。後日、膀胱鏡でガンを削り取る内視鏡手術が実施されたのですが、ガンを半分くらい削り取ったところで、その手術は中止されたそうです。

─なぜ半分だけを‥‥。

C 「内視鏡手術の途中で出血があったから」というのが中止の理由だったそうです。ただ、この説明はかなり怪しい。本当の理由は「膀胱全摘術に持ち込みたかったから」ではないかと、私はみています。

─患者はその後、どうなったんですか。

C 「ガンは膀胱の筋層にまで入り込んでいる可能性が高い」「加えてCT画像を見ると、リンパ節の腫れも認められる」などとして、膀胱全摘出になりました。

─膀胱全摘術は過酷な大手術ですよね。

C 手術は8時間にも及んだそうです。結局、膀胱の全部とリンパ節の一部などが摘出されたほか、人工尿路を造設するために小腸の一部も切り取られたうえに、腹部の外に尿をためておくストーマまでつけられてしまったそうです。

─要するに、膀胱全摘術は必要なかった、と。

C そのようです。術後の病理検査では、ガンは筋層にも入り込んでいなかったし、リンパ節にもガンは認められなかった、ということですから。

【出席者プロフィール】

A=国立大学医学部長経験者(消化器外科医)

B=公立地域中核病院診療科長(総合ガン治療医)

C=私立医科大学附属病院経営幹部(泌尿器外科医)

D=私立大学医学部附属病院診療科長(緩和ケア医)

E=国立大学医学部特任教授(腫瘍内科医)

司会=医療ジャーナリスト

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