ジャガー横田の夫で医師の木下博勝氏に文春砲がさく裂だ。12月17日付の「文春オンライン」では、木下氏が勤務先の医療法人でパワハラを繰り返し、それが原因で何人ものスタッフが辞めたとの記事を掲載。やはりパワハラに苦しむ准看護師が慰謝料300万円の損害賠償請求の準備を進めていると報じている。
「木下氏にパワハラ行為があったかどうかの真偽は不明ですが、医療現場を知る人たちからは《さほど珍しくない話》との声があがっています。《医者が一番偉い》というヒエラルキーは絶対的なもので、医療ドラマでは医師を手玉に取る看護師が活躍したりしますが、現実にはまず有り得ません。医療行為は医師法でガチガチに固められており、医師の持つ権限は他者に移譲できませんから、その権威は絶大なのです」(医療系ライター)
もちろん、医者の全員がパワハラをするわけではなく、自らの権威を振りかざすタイプの医者は今では少数派だという。それでも「俺様はお医者様だ!」的な態度を取る医師も中にはいるようだ。ところがそんなお医者様たちが、とたんに大人しくなってしまう場所があるという。
「海外に出るとパワハラ系の医師は大人しくなりがち。先端技術の習得や箔付けを目的にアメリカを中心に海外留学する医師は少なくありませんが、現地では医師免許の違いから医師として活動することはできず、立場上は一介の留学生に過ぎません。現地での生活では日本人コミュニティとの付き合いも大切ですが、ここで彼らは自分が体験したことのない環境に面食らうのです」(前出・医療系ライター)
国内ではエラそうにしていた日本人が、海外旅行では英語など現地の言葉が話せないことから、小さくなっているというのはよくある話。それに加えて初体験の人間関係が、パワハラ医師たちの調子を狂わせるというのである。前出の医療系ライターがささやく。
「海外の日本人コミュニティには駐在員として派遣されている人が多く、一流大学を出たエリートがうようよいます。そんな駐在員たちは大学進学時に医者の道を選ばなかっただけであり、医師という職業を一つの資格としか捉えていないため、《俺様はお医者様だ!》というドヤ顔に対しても苦笑するだけ。誰も《医者ですか、スゴいですね!》と感心してはくれず、むしろ《医者も留学するんですね》《何科が専門ですか?》といった薄い反応に留まるのです。しかし他人を見下すクセがついているような医師は日本人コミュニティで浮きがちとなり、留学中に心を病むケースすらあります」
最近は看護師が留学するケースも増えており、ここでうっかり医師がその看護師を見下すような態度を取ると、周りから総スカンを喰らいかねない。これも日本の医療現場ではありえない反応であり、パワハラ医師たちは異世界に放り込まれたような疎外感を感じるという。ともあれ日本だろうが国外だろうが、パワハラが厳禁であることは間違いなさそうだ。
(北野大知)