パワハラ列島「組織の膿」全部出す(3)LGBT議員を侮辱した維新の会県幹事長

 政治の世界もご多分に漏れず、日本維新の会長崎県総支部も揺れに揺れている。11月22日に同支部に所属する3市議がそろって離党届を提出したのだ。地元記者が解説する。

「長崎市の梅本圭介市議(55)、都留康敏市議(34)、大村市の中村仁飛市議(33)の3人。いずれも今年の統一地方選で初当選した新人議員です。かねてから、県総支部執行部のパワハラ行為に頭を抱えていたようです。執行部の刷新を求める嘆願書を提出したものの、改善が見込まれず、袂を分かつことになりました。24日の記者会見では、『個人を攻撃するわけではない』と建前を述べていましたが、パワハラ行為は山田博司幹事長(53)によるものと言われています」

 その壮絶な権力行使について、維新関係者が続ける。

「とにかく『俺の言うことを聞いとけ!』とパワーでねじ伏せてくる。例えば、平気な顔して歩道への駐車を指示するのですが、道路交通法違反を理由に躊躇するスタッフに『どこでもやっていることなんやからやれ!』と強行させてしまう。党本部からは法令順守を口酸っぱく言われているはずなの完全に無視です。どなり散らせば何でも思いどおりになると考えている節がある。市議以外にも、事務所スタッフ2人がパワハラを理由辞めている」

 そんな恐怖政治を維持するため、市議たちを疑心暗鬼にさせネガティブキャンペーンも。

「市議同士を団結させないために、あることないことを流布するんです。ある議員につて差別語を用いて『アイツとは関わらん方がええ』と言えば、別の議員については『アイツは市議同士で不倫しとる』などと、根も葉もないウソばかり広める。つまり、山田幹事長を頂点にした上下関係は認めるけど、議員同士の横の繫がりは認めないということ。今回のように反旗を翻されないように、予防線を敷いていたんでしょう」(地元記者)

 時には、デリカシーのない一言で相手を傷つける場面もあったようだ。

「戸籍上は男性ですが、自己認識は『クエスチョニング』としている都留市議に対しての〝口撃〟もしばしばでした。選挙ポスターを制作する際にも、山田幹事長と都留市議が並ぶ完成図を見て『男と男がおってむさいやろ』と平然と周囲に吹聴したり、独身の男性に『都留くんみたいに男が好きや?』と本人が近くにいるのも気にせず聞いたりひどい扱いでした。一方でLGBTQの票集めために利用したのは明らかです」(維新関係者)

 とはいえ、11月24日の会見を受けて県総支部は、

「指導・監督することはあったが、パワハラとの認識はない」

 とコメント。双方のギャップについて、日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要氏が見解を示す。

「優越的立場の人が、下の人間と気心が知れた人間関係を構築していると思い込んでいる可能性が考えられます。これは、一般社会全体で起こりうるケースですが、もし当人同士で許される行為でも、周囲がアレルギー反応を出すこともある。ただでさえ、政治の世界では権力を持つのは年配者の場合が多い。若手世代とのギャップも考慮して、言葉を選ばないとトラブルになりかねません」

 維新のパワハラ問題は日本全国に飛び火する観測まで上がっている。

 ジャニーズ、ビッグモーター‥‥次に炙り出される諸悪の根源はどこの誰だ!

*「週刊アサヒ芸能」12月14日号掲載

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