映画産業団体連合会などが東京都内で開いた第64回「映画の日」中央大会で、今年の邦画と洋画を合わせた興行収入が歴代最高を記録する見込みであることが明らかになった。今年はシネコン大手3社が入場料を26年ぶりに値上げしたが、そんな影響を微塵も感じさせないほど映画業界は活況に沸いたのだった。
「同大会では、映画産業団体連合会の岡田裕介常任理事が挨拶をし、『このままいけば、年間興行収入の新記録が達成される可能性は極めて高い』ことを明らかにしました。今年は、『天気の子』が140億円、『アラジン』が121億円、『トイ・ストーリー4』が100億円と3作品が100億超えを果たしており、今年11月22日から公開されている『アナと雪の女王2』はわずか10日で興収40億を突破し、年内の100億超えは確実。12月20日からはスター・ウォーズシリーズの完結編である『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』も公開予定など、ヒット作が目白押しの1年となっているのです」(シネマ誌編集者)
先日、「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)では”映画上映の2時間が耐えられずスマホいじりする若者が増えている”ことが大きな話題となり、ネット上では若者の映画館離れを指摘する声もあるが、実は16年から年間興行収入は3年連続で2200億円を超えており、今年はさらにそれを上回るペースで興収は増えているのだ。
「ここ数年、映画業界が盛り上がっているのにはいくつか理由がありますが、大きな原因のひとつとしてSNSとの相性の良さが挙げられます。最近では映画の口コミをSNSで積極的にする人が増えており、『この世界の片隅に』や『カメラを止めるな!』はSNSの口コミから話題が話題を呼び、大ヒットに繋がりました。今年も『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』がSNSから火が付き、動員70万人超えの大ヒットとなっています。SNSの口コミを見て映画館に足を運んだ人は、自らもまたSNSに口コミを投稿する傾向にあり、数珠つなぎのように鑑賞者を増やしているのです」(映画ライター)
しばらく映画業界の快進撃は続きそうだ。
(小林洋三)