最下位独走のヤクルト、球団の熱視線先は村上宗隆より「つば九郎の復帰」

 セ・リーグ最下位を独走中の東京ヤクルトスワローズ。1軍だけでなく、2軍もリーグ最下位という異例の低迷が続いている中、気になるのは今季契約最終年を迎えた村上宗隆の去就である。

 村上は今季開幕からコンディション不良で出遅れ、4月17日の阪神戦(神宮)で負傷。翌日には登録を抹消され、年俸3年18億円の契約ながら公式戦出場はわずか1試合にとどまっている。

 7月8日にはイースタン・リーグ(楽天戦・戸田)で約3か月ぶりの実戦復帰となったが、その後の起用はコンディション次第となる見通しだ。

 村上は昨オフ、ポスティングによるメジャーリーグ挑戦を明言しており、球団もこれを容認する構えだ。林田哲哉球団社長オーナーは、6月の株主総会で「彼が行きたいなら認めたい」としている。

 注目すべきは、低迷が続くにもかかわらず、ヤクルトが黒字経営を維持している点だ。球団OBは「ヤクルトは2019年にようやく赤字を脱却し、23年度も5億円以上の黒字を計上している」と語る。

 その黒字経営を支えているのが、球団マスコット「つば九郎」の圧倒的な人気である。球団関係者によると、「ヤクルトのグッズ売り上げNo.1はつば九郎。長年にわたり、ダントツの人気を誇ってきた」という。

 つば九郎は今年2月、“中の人”が急逝し、その後は活動休止状態が続いている。しかし、ファンの声援は途切れず、交流戦のビジター地・北海道エスコンフィールドでは「つば九郎神社」が設置され、圧倒的な人気を集めた。

 球団では来シーズンの「つば九郎復帰」に向けて前向きに動いており、「村上のメジャー移籍」以上にファン、そして球団の関心事は「つば九郎の今後」というのが現状のようだ。

(小田龍司)

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