大阪万博の閉場延長案で終電問題勃発!鉄道・バス運行に立ちはだかる課題

 閉場時間を現在の22時から23時にする方向で検討していることが明らかになった大阪・関西万博。開場時間が1時間延長されれば各パビリオンなどを見学できる時間が増え、夕方以降の来場者も増えるかもしれない。一見、いいこと尽くしのように思えるが、簡単に実現できる話ではないようだ。

 なぜなら閉場時間の延長に合わせ、鉄道・バスのダイヤを見直す必要が生じるからだ。万博開催に合わせて開業した最寄り駅の大阪メトロ・中央線の舞洲駅発の列車は23時台が15本、0時台が最終の0時20分を含めた4本となっているが、終電時間を1時間延長し、その分増発しなければならない。

 シャトルバスは閉園後も運行しているのは本数がもっとも多いJR桜島駅行きなどの一部路線のみだが、こちらに関しても同様だ。

「本来であれば何年も前からその旨を発表し、協力を仰がなければいけないこと。大阪は深夜帯でも本数が多いので運行調整が必要ですし、運転士も確保しなければならない。特に鉄道・バス会社でも運転士は大都市圏でも不足しているため、言うほど簡単ではありません」(交通インフラに詳しい大手紙記者)

 仮に夏場以降の閉場時間延長を検討しているとしても鉄道・バス各社の立場としては、このタイミングで言われても準備する時間があまりに足りない。

「シャトルバスの運転士は各バス会社からの出向扱いで、大阪メトロにしても大阪市が全額出資しているので調整は可能でしょう。JRや私鉄各社も対応は難しいかもしれません」(同)

 また、舞洲駅からの大阪メトロ・中央線は、23時台まで途中の長田駅から近鉄けいはんな線に乗り入れているが、この問題をどうするのかの疑問も残る。ホテルや自宅が大阪市内なら問題なさそうだが、郊外で乗り換えが必要だと既存ダイヤのままでは路線によっては終電に乗り遅れる可能性もゼロではない。

 特に会場内で働くスタッフは閉園後も後片付けなどがあり、会場を出る時間が遅くなる。彼らが帰宅難民化しないように配慮する必要はありそうだ。

ライフ