薬機法違反とアレルギー問題が指摘され…NHKが放送した「野菜石鹸」が大騒動!

 2月4日にNHK首都圏ネットワークで放送された、「廃棄野菜で作られた石鹸」の内容が波紋を広げている。

 番組で紹介された石鹸は、廃棄されるキャベツをジューサーに投入し、ココナッツオイルやオリーブオイルなどを混ぜ合わせるなどして、「畑の香りがするせっけん」として販売されているものだった。だが、番組を見た一部視聴者から、《石けんの製造は薬機法に規定があるので、内容によっては法に触れる可能性がある》と指摘されたのだ。社会部記者が言う。

「確かに石鹸は、場合によっては化粧品や医薬部外品として規制対象となり、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)に抵触する可能性はあります」

 他にも、小麦アレルギーを引き起こし、2000人以上の被害者を出した「茶のしずく石鹸事件」を引き合いにして、《植物等の有機物を人間の肌に使っていいのか》という声が続出した。同様に、番組を放送したNHK横浜のXアカウントにも、以下のようなコミュニティノートが付けられた。

《石鹸や化粧品に食物由来の成分を使用することは「経皮感作による食物アレルギー」を誘発する可能性があります。このアレルギー発症機序は2011年に起きた「茶のしずく石鹸」による小麦アレルギーの多発により広く知られるようになった概念です》

 こうした指摘を受けたからか、NHK横浜は6日にXを更新し、「このせっけんは食器などの洗浄を目的とした『台所用』として販売されているものです。使用する場合、アレルギー反応が気になる方は成分表示を十分に確認してください」とポストした。だが、これに対しても、医療関係者と思われる複数の人物が、《アレルギーの人だけが注意すればいいのではなく、新たなアレルギーを発症させる恐れがあることが問題》と指摘している。

 さらには、《保身のための言い訳》《四の五の言わずにただ謝罪して撤回しろ》という厳しい声もあがったのである。

 騒動を受けて、石鹸を生産する農園は7日、インスタグラムで、「私たちの認識が甘かったことを深く反省しております」と謝罪。今後については、「用途以外の使用を避けるよう注意喚起を徹底し、手袋の使用を推奨するなど、適切な使用方法を明記いたします」とし、過去の関連投稿を削除している。

 一方、NHK横浜からはその後、コメントは出ておらず、騒動は不完全燃焼のままである。

(ケン高田)

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