何度値上げしてもトップを独走する「CoCo壱番屋」の強気の根拠

「カレーハウスCoCo壱番屋」を展開する壱番屋(本社=愛知県一宮市)が、東京や神奈川の一部店舗で3月からポークカレーと甘口ポークカレーの価格を21円値上げした。ココイチは2016年にも同メニューの価格を同じく21円値上げしており、これによりそれぞれ一人前505円(税込)となる。
 
 2015年にはトッピングも値上げしているが、ココイチは基本的に値下げをしない方針を貫いている。にもかかわらず、店舗数では2位の「ゴーゴーカレー」に1000店以上の大差をつけて圧倒的な首位、売上高でも全カレーショップの9割近くを占め、トップを独走している。いったいココイチの強さはどこにあるのか。
 
「魅力といえばまず、メニューとトッピングの豊富さです。メニューは常時30種類以上、トッピングや辛さ、ソースなどを組み合わせれば100種類以上のカスタマイズが可能なので、“自分だけのカレーが作れる”というのがポイント。加えて実は、“美味しすぎない”というのも人気の秘訣なんです。めちゃくちゃ美味しいカレーは毎日食べると飽きてしまう。その点、ココイチはハウス食品のルーを使用しているので、めちゃくちゃ美味しくはないが、普通に美味しい。だからこそ、毎日食べても飽きがこないんです」(カレー研究家)

 また、「ブルーシステム」という独立支援制度も強みだという。
 
「ココイチはフランチャイズですが、基本的には一般からオーナーを採用せず、社員の独立によって暖簾分けのように店舗を増やしています。だからこそ、他の飲食チェーンよりも一体感があり、社員やアルバイトの教育も行き届きやすいと言える。今、多くの飲食店で不適切動画を配信する“バカッター”が話題となっていますが、その類の不祥事が出ないのも、こうしたシステムの賜物なのでは」(経済ジャーナリスト)

 どこまでも強気な理由が何となく分かる気がする。

(小島洋三)

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