日本プロ野球選手会(広島・会沢翼会長)の定例大会が12月5日、行われた。このオフは12球団から433人の委任状こそあったが、51人もの選手が出席。大阪で行われたにもかかわらず異例の出席率の高さは、会沢会長が「(選手会の)一致団結、一枚岩になっていくことが必要だ」と求めていたからだ。
そんな会議の背景には、昨春のキャンプ前に突如選手会を脱退して、このオフにポスティングによる米大リーグ移籍を決めた佐々木朗希の“問題”がある。
「佐々木を名指ししての批判こそなかったものの、選手会に入っていない選手はポスティングの権利を剥奪すべきだという声も上がったそうです。現実問題として法律上、できないのですが、それだけ佐々木のポスティングは選手会でも大きな問題になっていることがあからさまになりました」(スポーツ紙担当記者)
古い話だが、1991年、当時はFA移籍もなかった中で、落合博満氏が統一契約書の破棄を主張し選手会を脱会。93年にFA権が獲得されるや、真っ先に巨人移籍を決めた例がある。
「当時、落合氏は泣く子も黙る三冠王でしたが、佐々木の場合は中6日で100球のローテーションでも1年投げ切ることができない程度の実力。出席した選手たちは表立って口にこそしていませんが、そんな佐々木のやり方には危機感、不愉快など、相当複雑な思いを抱いています」(前出・スポーツ紙記者)
選手会では、選手の移籍を禁止する保留制度の見直しを改めて確認。「選手会の存在意義をみんなで話し合った」と言う会沢の会長続投も決まったが、佐々木の今回のポスティング移籍には、選手会が苦虫を嚙み潰す思いでいる状況が滲み出る1日となった。