近年、東京都内で大流行している自転車&電動キックボードシェアリングサービス「LUUP」。今冬以降、新たな車両として、座席カゴ付きの特定小型原付「電動シートボード」の提供を開始するなど、ここにきてさらなる広がりを見せている。
同サービスの公式Webサイトの「ポートマップ」を見ると、都内の各所にものすごい数のポートがあることがわかる。ところがマップを拡大してみると、荒川より北や東に位置する足立区や江戸川区エリアにはポートが一切設置されていないのだ。
SNS上では「荒川を渡ったら無法地帯だもん」などといった声が上がっており、なにやら、足立区特有の「自転車共有文化」が話題になっているようだ。中には「ライドシェア=チャリパク」などといったワードも見受けられる。
実は足立区の令和5年の「刑法犯認知件数」は4222件で、前年同期比で558件増加し、23区中ワースト3位。中でも自転車盗は、令和5年は1361件で前年同期比で302件増えており、刑法犯全体の約32.2%を占めている。一部の地元住民からは「自転車もバイクもみんなの共有物。シェアサイクルという概念を昭和から取り入れてるからね。歴史が違うよ」などと冗談めかす声も上がっている。
LUUPは2020年5月のサービス開始以来、渋谷を中心にエリア拡大を続けてきた。自転車盗難数の多さを理由に荒川以北にポートを設置しないわけではないだろうが、まるで分水嶺のようにキッチリとエリア分けされていたことで、足立区の自転車盗難数に思わぬ注目が集まってしまったようだ。
(ケン高田)