今年もいよいよ「サンマ」のシーズンがやって来た。ただ、近年は漁獲量が減少し、価格は右肩上がり。すっかり「高級魚」となってしまったが、今年はどうなのか。
8月10日にサンマ漁が解禁され、北海道根室市の花咲港で初水揚げされたサンマは67トンだった。昨年の490キロの約137倍と大幅に上回っており、札幌市内では、1尾18円と破格の値段で売り出されたものもあったという。となると、都心でも同様の価格を期待したいところだが、実はそう簡単にはいかないらしい。地元漁業関係者が語る。
「サンマ漁には小型船、中型船、大型船の3タイプがあり、これまでは漁獲量の少ない小型船から順次解禁していました。しかし近年は不漁が続いており、全体の漁獲量を増やすために、今年は一斉に解禁されたのです。そのため、初めての漁獲量は昨年を大幅に上回りましたが、秋に入り、水揚げが思うように上がらなければ、また昨年のような高価格に戻るでしょう」
農林水産省ではサンマの不漁原因について、「海洋環境や餌環境の変化により、沖合化と資源減少が進行している」と言及。日本に近い海域では、イワシやサバなど、他の浮魚類が増加しているとし、「サンマが日本の近くで回遊しにくくなっている」と指摘している。
今年の漁も先行きは不透明だが、秋の味覚を代表する魚だけに、ぜひとも好転を期待したい。
(ケン高田)