7、8月の打率は.344、本塁打8本(14日終了時点)と急激に数字を上げてきた日ハム・清宮幸太郎。「量産態勢に入った」と報じるメディアもあるが、新庄監督の信頼を得るにはまだ至っていないようだ。昨年までは「看板倒れ」と酷評された“大砲候補”は今季、トレード放出の正念場と囁かれていたからだ。(7月23日配信記事)
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覚醒か、それとも単なるまぐれか。7月21日のロッテ戦(ZOZOマリン)で、2年ぶり4度目となる2打席連続本塁打を放った日本ハム・清宮幸太郎。いずれも初球を捉え、4打数3安打と勝利に大きく貢献した。
試合後のインタビューでは「いや~完璧でした。どうせだったら明日も試合をしたい。最後にパパンと打ててよかった」とご満悦だったが、残念ながらこの試合が前半戦ラストゲーム。今季は球宴にも選出されなかった。前半戦終了時点で打率2割3分9厘、本塁打3では当然だ。
新庄剛志監督も清宮の連続本塁打に「いや、信じませんよ。まだまだ。今の時期には(本塁打を)10本は打っていないといけない選手なんだから。今日から清宮君は後半戦(再開)まで寝ないですから」と独特の言い回しでコメントしている。
入団7年目。ドラフトでは高卒選手過去最多となる7球団が1位指名という争奪戦となったが、すでに25歳。1軍での通算成績は打率2割1分7厘、自己最高本塁打は22年の18本と、これまで主力とは言い難い結果しか残せていない。そんな中、すでにトレードの噂が絶えない状況となっているのが現実だ。
「新庄監督は清宮同様、18年ドラフト1位で入団した吉田輝星投手にも目をかけていた。22年春のキャンプでは元阪神の藤川球児氏に臨時コーチを依頼し、それこそ覚醒を求めていましたが、最終的には結果を出せずトレード放出されている。清宮もこのままでは同じ道をたどる可能性は高い」(夕刊紙記者)
昨季は4月に左脇腹痛で戦列を離れてもかばうことはなく、万波中正ら新庄チルドレンと呼ばれる選手たちの活躍もあって新庄監督は「(清宮が)入る余地はない」と突き放し続けている。そして今年は1月に自主トレ段階で左足を捻挫し出遅れ、4月に1軍昇格したものの打率わずか8分で1カ月も経たずして登録抹消されている。
「確かにチーム状況と監督の容赦ない扱いから、23年は特にトレード獲得を模索した球団が複数ありましたが、結局は話がまとまらなかった。特にDHのないセ・リーグの球団からの評価は低く、問題視されたのは打撃面というより守備力。6年目でありながら合格点に達していないという指摘が多く、スカウト陣から『怖くで守らせるところがない』という声まで聞こえてきましたね」(別の夕刊紙記者)
日ハムと同じパ・リーグ球団であっても、今の打撃力では代打要因でも使えないだろう。いずれにせよ後半戦、新庄監督が前半戦最後の最後に2本塁打を放った清宮をどう起用するのか見ものだ。
(小田龍司)