今年に入って日経平均株価はジワジワと上昇を続け、2月22日の終値では3万9098円68銭をつけて、34年前のバブル絶頂期の史上最高値を更新した。
我々庶民の生活実感は別として金融業界の好景気は株式のみならず仮想通貨にも及んでおり、今年4月、4回目の「半減期」を迎えると見られる「ビットコイン」が2月27日に日本で800万円台に高騰するなど話題となっている。
もっとも、株式はある程度の資金が必要であり、「ビットコイン」をはじめとした人気の仮想通貨に関しても、ある程度の専門的な知識が必要で、素人が気安く手を出すのはなかなかハードルが高そうだ。そうした中、金融ジャーナリストは専門的な知識のない素人でも比較的手を出しやすい変わり種の仮想通貨についてこう明かす。
「昨年3月に日本で誕生した『NIDT』は面白いと思いますよ。世界初となるアイドルの“推し活”に特化した仮想通貨で金融業界でも注目を集めています」
Nippon Idol Tokenこと「NIDT」はweb3.0時代のアイドルを創造する「IDOL3.0 PROJECT」の仮想通貨として昨年3月にIEOによって資金調達が行われて10億円以上が集まるとともに、同年4月から大手仮想通貨取引所で取引が開始された。
「『NIDT』で調達された資金はグループの活動に充てられるほか、メンバーの卒業時の『退職金』やアイドル活動と併行しての『学業サポート』といったメンバーの公私にわたるさまざまなサポートに活用されるそうです。基本的にアイドルグループの人気が上がれば『NIDT』の価値も上がるというのが、他の仮想通貨にはない分かりやすさと言えるでしょう」(前出の金融ジャーナリスト)
すでに「NIDT」を活用した新規アイドルグループの第一弾として11人組女性アイドルグループ「WHITE SCORPION」が昨年11月にデビューを果たした。メンバーは約1万人の応募が集まったオーディションを経て選出され、「乃木坂46」や「AKB48」などで知られる作詞家の秋元康氏によるプロデュースで活動を展開している。
「デビュー曲の1stデジタルシングル『眼差しSniper』のミュージックビデオ(MV)はYouTubeでの公開から3週間ほどで再生回数400万回を突破。今年1月リリースの2ndデジタルシングル『コヨーテが鳴いている』は『USENリクエスト J-POP HOT30』で1位を獲得しており、グループの音楽番組などへの露出も徐々に増えています。また、15歳の中学3年生のセンターのHANNAさんが同月発売の漫画誌『少年サンデー』の表紙に抜擢されました」(アイドル誌ライター)
肝心の「NIDT」の値動きだが、前出の金融ジャーナリストによると「IEOの際には1NIDT=5円だったのが昨年9月には120円以上まで高騰しました。しかし、最近は下降トレンドに入っており、今月は30円~50円くらいで推移しています」とのこと。IEOスタート当時の6倍以上の価格をキープしているとはいえ、再高騰時と比べるとだいぶ値を下げているのが何とも気になるところだが…。
「アイドルファンや音楽好きの間ではその存在が徐々に認知されつつあるとはいえ、『WHITE SCORPION』はまだデビュー半年も経っていませんからね。それに、昨秋に『NIDT』が高騰した背景にはメンバー選出のオーディションに所有者が利用できるといったメリットがあった。でも、昨年12月のデビュー以降、今のところ際立った『NIDT』の活用施策が発表されていないのも値を下げている要因でしょう。逆に言えば今後『WHITE SCORPION』の人気や知名度が高まり、『NIDT』の活用施策や所有メリットが明らかになれば一気に高騰する可能性をはらんでいます」(前出の金融ジャーナリスト)
今後は「WHITE SCORPION」のライブやメタバース(=仮想空間)での活動が予定されているほか、「NIDT」を活用できる他のグループの誕生なども取り沙汰されているという。投資はあくまで自己責任ではあるが、一時期よりも手頃な値をつけている今だからこそ、その動向に注目しておくべきかもしれない。