米ネットフリックスは1月23日に2023年第4四半期(10~12月)の決算報告を行い、会員数が1310万人増加したことを明らかにした。これは市場予想の891万人を大きく上回った。
「ネットフリックスの会員数の増加は驚異的で、20年第1四半期(1~3月)に記録した1577万人に次ぐ増加となっています。コロナ禍の巣ごもり需要に匹敵するほど会員が増加したのは、アカウント共有の禁止によって『タダ乗り』ができなくなり、新たに契約する人が相次いだことが要因とみられていますね。世界のあらゆる地域で会員数が増え、売上高は88億3000万ドル(約1兆3100億円)に達しました」(社会部記者)
ロイターが17年に実施した調査によると、同居家族以外のユーザーとアカウントを共有していたのは18~24歳の若年層が21%と最も多かった。そのため、アカウントの共有を禁止しても会員数が増えないのではないかとの指摘もあった。しかし、22年に安価な「広告付きプラン」を導入すると契約が急増。現在では2300万人以上の会員が「広告付き格安プラン」で契約しているという。
「若年層の会員が増えたということも大きいですね。テレビ業界が一番取り込んでおきたい層をごっそり持っていったということです。また、テレビ各局は現在、こぞってドラマ放送の枠を増やしていますが、これも、自社や他社の動画配信サービスの有力なコンテンツにしようとしているためとも言われています。今後も、テレビより動画配信サービスで視聴という流れがいっそう強くなっていくでしょう」(エンタメライター)
リアルタイムのテレビはますます一部の視聴者だけが愛用するものとなっていくのかもしれない。
(小林洋三)